中国電力とFPTによるデジタル変革推進の新たな一歩

中国電力とFPTが手を組みデジタルトランスフォーメーションを推進

2023年、中国電力株式会社とFPTジャパンホールディングスが、新たな戦略的業務協力に関する基本合意を発表しました。この合意により、両社およびエネコムとの連携が強化され、デジタル技術を活用したデジタルトランスフォーメーション（DX）推進に向けた取り組みが加速されることが期待されています。

合意の背景と目的

FPTとエネコムは、2021年から電力向けのシステム開発で協業を始め、この数年で成果を上げてきました。特に2023年には、中国電力におけるMicrosoft 365のパイロットプロジェクトで顕著な結果を残したことがあります。2024年からは全社展開に向けての技術支援やアプリ開発において、さらに強固なサポートを行う方針です。

この協力関係は、中国電力が掲げる「エネルギアチェンジ2030」ビジョンの実現と、生産性の向上を図る上でも大変重要です。AIなどの先端技術を活用し、安定的なIT人材の確保を通じて、三者が協力してDX推進に取り組むことで合意に至りました。

具体的な施策

今回の覚書に基づき、以下の3つの施策が中心に取り組まれます。

1. デジタルトランスフォーメーションの推進

FPTの強みである生成AIやクラウドを活用し、中国電力のDX推進に大きな貢献を果たすことが目指されています。これにより、効率的で競争力のあるビジネス環境を実現することが可能になります。

2. 安定したIT人材の確保

FPTグループ全体で蓄積された3万人以上のIT人材を活用し、柔軟なリソース管理を行い、電力事業に特化したエンジニアの育成を進めます。また、エンジニアが持つ業務知識や開発経験も活かされることが期待されています。

3. ITコストの削減

中国電力のDXを実現する中で、システム開発や運用保守業務の効率化を徹底し、ITコストの削減を目指します。これにより、経済的にも安定した運営が可能となるでしょう。

関係者の声

中国電力のデジタルイノベーション本部長、鎌倉仁士氏は、「FPTの技術と中国電力のビジョンを結びつけ、新たな価値を生むことに期待しています」と述べ、提携を通じた業務の自動化や新サービスの創出に意気込みを見せています。

また、エネコムの岡部恵二社長も、「中国電力のニーズを理解し、最適なソリューションを提供するために取り組んでいく」と強調しました。

FPTの社長、ド・ヴァン・カック氏は、今回の覚書が三社の協力関係を深化させ、共に成長する機会を提供すると確信し、AIサービスや柔軟な対応力の向上に力を入れることを表明しています。