日本におけるITエンジニアの女性比率の現状と課題に迫る

日本におけるITエンジニアの女性比率

最近の調査によると、日本のITエンジニアとして活躍する女性比率は18.8％と、OECD加盟国の中で17位という結果が示されています。このデータは、国際労働機関(ILO)やOECDの公表データをもとにしたもので、特にITおよびSTEM（科学、技術、工学、数学）分野における女性の卒業者比率が最下位という事実が深刻な課題を浮き彫りにしています。

調査結果の概要

ヒューマンリソシア株式会社が発表した「データで見る世界のITエンジニアレポート」において、OECD加盟38カ国を対象にした調査の結果、日本のITエンジニアにおける女性比率は18.8％であり、OECDの平均である20.6％を下回っています。さらに、データが取得できた33カ国中、17位という位置づけに甘んじていることがわかりました。特に、将来的に期待されるITやSTEM分野の卒業生に占める女性比率は、日本が最も低くなる結果が出ています。

比較国の状況

調査では、イスラエルが最も高い29.5％の女性比率を示し、次いでアイルランド（26.3％）、エストニア（24.5％）と続きます。北ヨーロッパ及びバルト三国は、多くの国で女性エンジニアが働いている傾向があります。これに対し、日本ではIT分野で活躍する女性の割合が低く、その状況を改善するための強い取り組みが求められています。

学生の女性比率

さらに、IT分野およびSTEM分野の学生に関するデータも注目です。日本におけるIT専攻の女性比率はわずか9.8％、STEM分野でも18.5％と、いずれもOECD加盟国で最下位の結果です。これは将来的にIT業界におけるジェンダーギャップの拡大を懸念させるデータです。

未来への展望

こうした現状において、日本のITエンジニア不足は深刻であり、今後ますます女性の活躍推進が期待されています。大学においてITを学ぶ女性が増えることが、IT業界全体への明るい影響をもたらすでしょう。微増ではあるものの、日本の女性ITエンジニアの比率は上向きの傾向にあるとも言えますが、その持続的な成長のためには職場定着に向けた施策の強化が必要不可欠です。