急成長するITエンジニア市場と日本の停滞、未来を見据えた変革の必要性
世界のITエンジニア市場は、昨年からの成長を示しており、全体で推計2994万人と、前年比6.1%の増加を記録しています。特にインド、米国、中国が市場を牽引する一方、日本は横ばいの状況にあり、早急な状況改善が求められています。
ITエンジニアの現状と国別ランキング
総合人材サービス会社『ヒューマンリソシア株式会社』の最新レポートによれば、2023年12月の調査で世界119か国のITエンジニア数は合計で2994.3万人と発表されました。国別では、インドが493.2万人で堂々の1位を固め、前年比で42.4万人の増加をみせています。続く米国は454.1万人、3位には350.7万人の中国がランクインしました。これに対し、日本は144万人で4位を維持しているものの、前年から変化がない状況が露呈しています。
特に日本の増減率は88カ国中62位、増加率も41位と低迷しており、将来的な成長が見込めないしくみが浮き彫りになっています。世界全体のIT人材の成長を背景に、日本のITエンジニア市場は厳しい状況に置かれています。
世界のITエンジニア市場の動向
ITエンジニア数の増加率は、アジア・太平洋地域が42.5%を占め、その中で81.4万人の増加を記録し、7.2%の増加率を示しています。特にインドと中国の成長が目立つ一方、アメリカも2%の微増。これに対し、日本は現状の維持、さらには競争力の低下と、グローバルなシフトに対して厳しい状況と言えるでしょう。
国際的には、スウェーデンやフィンランドなど北欧諸国のITエンジニアの割合が高く、これらの国々は企業や社会全体でIT人材の需要を高め、職業としての地位も向上しています。一方で、日本はいまだに2.13%という低い割合で39位に位置しています。
日本のIT人材市場に必要な変革
現在の状況を変えるためには、IT教育の強化、人材育成、さらには外国からのITエンジニアを受け入れる制度の整備が急務です。特に『ヒューマンリソシア』が展開する「Global IT Talentサービス」では、世界60か国以上からエンジニアを招き経験を積ませることが重要だと言えます。これにより、多様な価値観を持つ人材が国内で活躍できる環境を整備し、グローバル化とダイバーシティを進める必要があります。
テクノロジーの進化が加速する中、日本のIT市場がこのまま停滞しているのであれば、将来的に競争力を失いかねません。未来を見据えた取り組みが必要とされています。
結論
世界のITエンジニア市場は成長を続けていますが、日本は停滞を示しており、早急な対策が望まれます。IT教育の現状、外国人エンジニアの受け入れ、そして産業全体でのデジタル化の推進が求められています。今後の動向に注目し、変革を実現することが急務と言えるでしょう。