酪農経営の未来
2025-02-28 10:21:43
広島で酪農経営を支援するAIによる革新的な乳量予測システム
広島県では、国立大学法人広島大学とBIPROGY株式会社が協力し、酪農業界の生産性向上と経営支援を目指す新たなプロジェクトをスタートさせています。2025年4月から、牛舎内に設置された様々な機器やロボットから集めたデータを基に、牛の乳量を予測するAIモデルが利用される予定です。この取り組みは、牛舎環境の最適化を図り、酪農経営における持続可能性の向上を目指すものです。
背景
酪農業界は、近年の人手不足や飼料価格の高騰により、経営が厳しくなっており、多くの農家が困難な状況に直面しています。日本全体の酪農業を守るためには、これらの問題を解決するための効率的な経営モデルへのシフトが不可欠です。特に牛は環境の変化に敏感な生き物であり、気温や湿度、飼料の質などが乳量に大きな影響を与えます。そこで、牛舎の環境維持が重要となりますが、現在のところ個別管理されている機器の多さが、農家にとっての負担となっています。
新たなプラットフォームの概要
今回のプロジェクトでは、牛舎内での様々な機器やロボットから得られるデータを集約し、一元管理する畜産データプラットフォームの構築が目指されています。これにより、酪農家は牛の健康状態や環境要因をリアルタイムで分析し、適切な対策を講じることが可能となります。アプリを通じて、1~2週間先の乳量や乳脂肪率の予測を得ることができ、牛舎環境の調整やサプリメントの投与など、ストレス緩和に向けた施策を実施できます。
さらに、現在開発中のLiDAR技術を活用した3D画像データ技術により、牛の体重や体格を非接触で計測することも可能になります。このデータは、本プラットフォームで一括管理されるため、酪農家は牛の健康管理や生育追跡をより効率的に行えます。
実証フィールド
本プロジェクトは、広島県東広島市にある有限会社トムミルクファームを実証フィールドとして活用しています。ここでは、さまざまな機器やデータが試験的に運用され、実際の酪農業務における適用性を確認します。2026年度内の実用化を目指し、広島大学とBIPROGYが共同で研究を進めています。
今後の展望
この取り組みは、広島県内の酪農業の効率化と生産性向上に寄与するだけでなく、全国展開の可能性も秘めています。広島県、広島大学、BIPROGYは、成果を基に農林水産省との連携を強化し、全国での導入を目指しています。新たな技術によって、酪農業の未来が明るくなることが期待されます。
このプロジェクトが実現すれば、酪農業界にとって大きな変革となるでしょう。多くの酪農家の経営を支え、より安定した産業へと導くため、これからの展開から目が離せません。