広島のアヲハタとファーメンステーションが挑む持続可能な未来のトレンド

持続可能な未来を目指して

広島県竹原市に本社を置くアヲハタ株式会社は、地域に根ざした食品製造を行う企業として、1932年に創業以来、持続可能な生産方法に取り組んできました。特に、みかん缶詰やママレードの製造過程で発生するみかんの外皮を無駄にせず、陳皮として活用するなど、資源を大切にする姿勢が評価されています。

最近、アヲハタは、東京に拠点を構える株式会社ファーメンステーションと協力し、環境に配慮した新しい製品を開発しました。それが、「アヲハタのジャムで作った除菌ウエットティッシュ」です。この製品は、食品残さとして通常廃棄されるジャムの規格外品を再利用し、発酵技術を駆使して精製されたエタノールを配合して作られています。

アップサイクルとは？

アップサイクルという概念は、不要とされる物を新たな価値のある商品に生まれ変わらせることです。リユースやリサイクルが一歩後退した再利用に対し、アップサイクルはより深い創造性を必要とします。この取り組みは、サーキュラエコノミー、つまり循環型経済の一環として、持続可能な社会の構築を目指しています。

除菌ウエットティッシュの特長

「アヲハタのジャムで作った除菌ウエットティッシュ」は、99%が天然由来の成分でできており、そのほとんどがジャムやママレードの製造過程での食品残さから作られたエタノールです。また、使われている不織布には植物由来の生分解性セルロース素材が採用されており、環境への優しさが際立っています。無香料で、手指だけでなく様々なシーンでの使用が可能です。

ファーメンステーションの意義

ファーメンステーションは、発酵技術を用いてフードロスや未利用資源を再生することに特化したスタートアップ企業です。この企業は、食品加工時に出る残さを元に新たな製品を生み出すことで、廃棄物を減らし持続可能な社会を実現することに尽力しています。
さらに、食品工場の副産物を再利用して、エタノールや生活雑貨製品を生産するなど、様々な業界との連携を図るなど、革新的なビジョンを持っています。

これらのパートナーシップは、サステナブルな経済の発展に貢献し、地域社会への還元も目指しています。

農産物を大切に

アヲハタは、農産加工を基本とし、自然の恵みを受ける企業として、地域の農作物を大切に扱っています。このスタンスは、製造プロセスのすべてにおいて生産効率を高めるだけでなく、食品ロスの削減にもつながります。
2024年より、製造過程で発生した食品残さを養豚飼料に再利用することで、年間で約25%の食品ロス削減を計画している点も見逃せません。