手術の効率を劇的に改善するAI SaaS「オペプロ」がついに登場
株式会社ソラメドが正式に手術予定管理AI SaaS「オペプロ」を発表しました。このサービスは、急性期病院の手術室の稼働率を向上させるために設計されており、特に中国地方内の高度急性期基幹病院で実施された実証実験の成果が反映されています。
背景と目的
医療の現場では、2024年に施行される医師の働き方改革関連法が影響し、手術業務の効率化が急務となっています。現在、日本の急性期病院の手術室の稼働率は約60%にとどまっており、現場での運用が属人的になっていることが課題とされています。手術予定の管理が各診療科でバラバラに行われるため、情報がブラックボックス化。これによって患者の手術待機期間が長期化し、無駄な手術枠が生じているのです。
このような状況を受けて、ソラメドは「オペプロ」を開発しました。このAI支援型クラウドサービスは、手術予定情報を集約し、データ分析に基づいて手術室の稼働状況を可視化・最適化します。
「オペプロ」の特徴
「オペプロ」では、医師がiPadを用いて手術予定を直接入力し、外科系の全科で統一されたフォーマットで情報を共有します。これによりリアルタイムでのスケジュール調整が可能となります。AIはデータ分析や提案を行い、医師やスタッフの判断をサポートします。
現在はデータ分析やアラート機能に重点が置かれていますが、今後は手術スケジュールの最適化やリソース需要予測の機能を段階的に増やしていく予定です。この施策により、未使用の手術枠を早期に共有・再割り当てし、手術件数の増加や医療スタッフの負担軽減を目指します。
実証実験の成果
2025年の春から秋にかけて、中国地方の高度急性期基幹病院にて実施された実証実験結果は、期待以上の結果をもたらしました。
- - 手術室の稼働率が2.2%改善
- - 手術空き枠の再割当による手術件数134件の増加
- - 外科医の事務業務が16.7%削減
- - 病院収益が約130百万円向上
この実証データを受け、ソラメドは本サービスを外科系全科へ正式導入しました。3年後には病院の収益を年500百万円増加させるだけでなく、手術件数500件以上の増加を目指しています。
資金調達と今後の展望
サービスの発表にあたり、ソラメドはデライト・ベンチャーズからの資金調達も行いました。この資金はプロダクトの開発加速やカスタマーサクセス、マーケティングに充てられ、より一層のサービス強化を図ります。
マネージングパートナーの川崎氏やプリンシパルの永野氏からは、オペプロの可能性について積極的なコメントが寄せられ、今後の展開に期待が高まっています。
最後に
行政の医療改善政策に基づき、ソラメドは医療現場のニーズに応えるべく全力で取り組んでいます。「オペプロ」は、効率化を進めることで病院経営の改善を実現する新たな手段として期待されています。今後も、医療とテクノロジーが融合する新たな時代に向けて進化していくことでしょう。詳細やサービスの利用については、公式サイトをご覧ください。