広島港に新たな風が吹く!LNG燃料供給方式の多様化とその意義
大阪ガス株式会社は、4月21日からJFEスチール株式会社の西日本製鉄所において、初めてとなる「Ship to Ship方式」によるLNG(液化天然ガス)燃料供給を開始しました。この新たな供給方法により、海運業界における環境負荷低減の取り組みが強化されることが期待されています。
Ship to Ship方式とは?
新たに導入されたShip to Ship方式では、LNGバンカリング船「SETO AZURE」が、海上で燃料を必要とする船舶に直接LNGを供給します。これにより、岸壁に接岸していない船舶や、停泊中の船舶への柔軟な燃料供給が可能となり、積み降ろし作業を行いながらの燃料補給も実現します。これまでのTruck to Ship方式やShore to Ship方式と併せて、三つの供給方式を備えることにより、より安定的で効率的な燃料供給が可能となりました。
環境保護の重要性
昨今、世界的に温室効果ガスの削減が求められる中、特に船舶からの排出抑制が重要視されています。従来の重油に代わる燃料として、LNGは約30%のCO₂排出量削減が見込まれ、今後LNG燃料船の数も増加する見込みです。この背景には、国際的な環境規制の厳格化や、船舶の低炭素化へのニーズが影響しています。
実際、2015年のLNG燃料船の隻数は62隻でしたが、2025年には869隻、2030年には1,271隻に達すると予測されています。日本では、これまでLNG燃料供給のための設備が十分ではなく、こうした新たな供給方式が求められていたのです。
フルラインアップの体制
大阪ガスは、陸上からの供給だけでなく、海上からの供給も含めた多様な供給方式を整えることで、LNG燃料供給の選択肢を増やし、その安定供給を実現しようとしています。具体的には、岸壁からの供給、路上からの供給、そして海上での直接供給という三つの供給パターンにより、様々な状況に応じた柔軟な対応が可能となります。
- - Truck to Ship方式: 岸壁に停泊するLNG燃料船に、LNGタンクローリーから供給します。設備が整っていない港でも対応可能です。
- - Shore to Ship方式: 岸壁に停泊中の船舶に対して、陸上のターミナルから直接供給します。大量供給に適しています。
- - Ship to Ship方式: 海上での供給が可能で、作業と並行して燃料補給ができるメリットがあります。
まとめと今後の展望
大阪ガスの資源・海外事業部マネジャーである山田裕久氏は、今回の取り組みに対する期待を語っています。「低・脱炭素化が進む中、LNGを燃料とする船舶の増加に貢献していきたい」との考えを示し、安定供給の重要性を強調しました。
この新たな供給体制が、広島県内の船舶にどのように活用され、海運業界の持続可能な発展に寄与するのか、今後の動向に注目が集まります。LNGバンカリングの多様化は、環境保護と業界の競争力強化に貢献する重要なステップと言えるでしょう。