DX内製化への意欲と現実:大企業650名の調査結果
概要
近年、企業の競争力を高めるために、デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目されています。その中でも、外部ベンダーへの委託ではなく、内部での開発(内製化)を進める意欲が大企業において高まっていることが明らかになりました。今回は、大企業向けクラウドサービスを提供する株式会社ドリーム・アーツが実施した650名を対象とした調査結果を紹介します。
調査結果のポイント
調査の結果、企業の41.4%が外部ITベンダーに「ほぼ全て」または「半分以上」を委託している一方、78.8%の企業はDX内製化を「強く推進したい」または「できればそうしたい」と考えていることが分かりました。このように、内製化への意欲が高まりつつある一方で、実際には依然として多くの企業が外部に頼っている現状があります。
内製化の課題
DX内製化を進めるうえで、最大の障害は「IT人材不足」だとされています。特に管理職や経営層の間では、現場のスキル不足も課題視されています。一方、非管理職層の多くは「障害はない」と感じているようで、役職間での認識にギャップがあることが浮き彫りになりました。このような認識の違いが、内製化を進める上での意欲にどう影響を与えるのか気になるところです。
業務部門のアプリ開発
興味深いことに、調査に回答したうちの34.3%が業務部門でアプリを自ら作った経験があると答えています。テクノロジーの進化によって、非専門職でもアプリ開発が可能な環境が整ってきていると言えるでしょう。しかし、ノーコードとローコードの違いを理解している人は約26.3%と少数派であり、現場での理解不足が進んでいることが課題として残っています。
企業の対応
このような現状を受けて、ドリーム・アーツは「現場からDX・デジタル人材を創出する」ことが今後のDX推進において重要だと考えています。ノーコードツールを活用することで、現場の裁量を増やし、内製化を加速させることができるのではないでしょうか。企業全体での人材不足が叫ばれる中、業務部門が自らDXに取り組む必要があることは言うまでもありません。
調査結果の意義
ドリーム・アーツの調査からは、大企業のデジタル化に対する意欲が高まる中で、依然として人材的な課題が存在していることが明らかになりました。今後の施策として、現場におけるスキルアップやノーコードツールの活用促進が求められるでしょう。デジタルの民主化が進む中、企業の内製化に向けた取り組みが加速していくことを願います。
調査概要
- - 調査対象:従業員数1,000名以上の大企業に勤務する人
- - 調査方法:インターネット調査
- - 有効回答数:650名
- - 実施日:2025年9月10日~9月12日
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まとめ
デジタルトランスフォーメーションは企業にとって避けて通れない道ですが、その実施には多くの障壁が待ち受けているのも事実です。内製化への意欲が高まる中で、どのようにして人材不足を克服するかが、これからの企業にとって大きな課題となるでしょう。この流れを受けて、企業自身が内製化を進めるための具体的な戦略を検討していく必要があります。