常石グループ2024年度業績報告
2024年度の常石グループは、売上高3,656億円(前年比16%増)、経常利益458億円(前年比88%増)の好調な業績を記録しました。この結果は、様々な事業セグメントの成長戦略に基づく成果といえるでしょう。
セグメント別の売上高
1.
海運事業
ドライバルク市況が安定している中、新造船の転売船が減少したため売上高は592億円(前年比10%減)となりましたが、依然として市場の変動には強い基盤を持っています。
2.
造船事業
好調な海運市況と為替への影響を受け、売上高は2,748億円(前年比16%増)に成長しました。環境に配慮した新燃料船の需要も高まり、43隻の新造船受注を記録しました。
3.
環境事業
マレーシアでの非鉄金属事業の好調により、売上は285億円(前年比32%増)となりました。リサイクル事業も拡大し、地域貢献を通じた持続的成長を目指しています。
4.
商社・エネルギー事業
今年度、3社の合併を経て増収を達成し、材料供給が好調な造船事業に寄与しました。太陽光発電などの再生可能エネルギー事業にも注力しています。
5.
ライフ&リゾート事業
猛暑や台風の影響にもかかわらず、ガンツウ事業の集客に成功し、売上は54億円(前年比4%増)に達しました。特に地域イベントに積極的に参画する姿勢が顕著です。
今後の展望と戦略
常石グループは、社会環境が変化する中で、安定した事業基盤の確立を最大の課題と位置付けています。2025年度からは「徹底的にひと重視」を新たなミッションとし、人材育成の強化を図ります。また、企業理念のもと「社員の幸せのために事業の安定と発展を追求する」を一層深めていく方針です。
特に、環境事業では、中期経営方針に基づき循環型サプライチェーンの構築を目指します。これにより、さらなるCO₂削減や廃棄物リサイクル率の向上を図る計画です。また、環境保全とコスト競争力のバランスを取り続けることにも注力します。
事業ごとの具体的な取り組み
- - 造船事業 では、環境に優しいメタノール燃料船の建造を進め、2027年までにCO₂排出量を40%削減する目標を掲げています。更なるイノベーションを追求し、新しい事業モデルを模索していきます。
- - 海運事業 では、地球環境を配慮した船舶の導入を進め、次世代燃料船への投資を強化します。また、顧客満足度を高めるため、定期航路の見直しとサービス向上に努めていきます。
- - ライフ&リゾート事業 では、訪日旅行の需要が回復する中、地域イベントと連携した集客戦略を強化し、新たな顧客獲得を目指します。
まとめ
常石グループは、社員の幸せを中核に地域社会と共に発展する企業として、今後も持続可能な社会の実現に向けて、取り組みを進めていきます。これからの成長戦略に期待が高まります。