エクレクトと叡啓大学の画期的な研究成果
株式会社エクレクトは、広島県立叡啓大学と共同で、企業向けのウェルビーイング向上プログラムの研究を進めました。この成果は2025年にオーストラリア・ブリスベンで開催される国際ポジティブ心理学会にて発表され、多くの関心を集めています。
研究の背景
デジタルトランスフォーメーション(DX)の急速な進展により、企業は業務改革や新技術の導入を進めていますが、実際の変革には「人」が中心であるという認識が広がっています。従業員の行動様式や働き方を改善しなければ、変革は限定的なものになりかねません。このため、エクレクトは会社におけるライフスタイルとワークスタイルの両面から従業員のウェルビーイングを高めるプログラムを提案しました。
研究の目的
本研究は主に二つの目的に基づいています。一つ目は、生活と仕事の統合的な支援プログラムを通じて、従業員が自己主導的に変容するプロセスを明らかにすることです。二つ目は、そのプロセスモデルの有用性を、中長期的なウェルビーイングの観点から検証することです。
主な研究成果
1.
変容プロセスの発見 - 生活様式と職業スタイルの改善には「主体的な自己調整」「協働的な問題解決」「ポジティブな感情や経験」の3つのプロセスが基盤になっていることが明らかになりました。
2.
基盤要素の理解 - これらのプロセスは「認知的柔軟性」「自己効力感」「課題に対する価値認識」を前提としています。
3.
プログラムの効果 - プログラム参加者の主観的ウェルビーイングや中長期的なウェルビーイング、自己効力感が有意に向上したことも確認されました。
研究段階
本研究は二つのフェーズに分かれています。
フェーズ1
広島県の大崎上島にて実施した3週間の合宿型プログラムで、参加者の変容プロセスを質的に探求しました。プログラムは科学的知見を基に設計され、参加者は生活習慣の改善や協働的な学びを体验しました。
フェーズ2
オンラインでの5日間のプログラムを通じて77名を対象に実証的な量的研究を行い、心理的ウェルビーイングの向上や自己効力感の変化を測定しました。結果的に、プログラムの変容プロセスモデルが有効であることが示されました。
今後の展望
今後は、この変容プロセスモデルを基にした人材育成プログラムの拡大や、認知的柔軟性に特化したプログラムの開発が進められる予定です。さらに、多様な企業文化や業種への適用可能性を探るため、企業研修としての展開も視野に入れています。
研究成果に対するコメント
叡啓大学の保井教授は「この研究がIT業界におけるウェルビーイングデザインの重要な一歩となることを期待しています。プログラムは生活と仕事の統合的なアップデートを通じて、従業員の自己効力感や認知的柔軟性を育む具体的な方法を示しています」と述べています。エクレクトの辻本代表取締役も「ウェルビーイングを経営の根幹に据えた事業運営が、真のイノベーションを生むと確信しています」と語りました。
このように、エクレクトと叡啓大学の共同研究は、多くの企業における実践的なウエルビーイングの向上に向けた重要な指針となることでしょう。