トロムソの挑戦
2025-05-29 14:07:24

広島発!トロムソがバイオ炭でベトナム農業支援に挑戦

経済と環境を共に考えるトロムソの新事業



広島県に本社を置く株式会社トロムソが、経済産業省の支援を受けて新たなプロジェクトに取り組むことになりました。このプロジェクトは「ベトナム国/バイオ炭活用による農業の生産性向上と低炭素化の実証事業」として、グローバルサウス諸国の市場活性化を目指しています。

プロジェクト概要



トロムソは、南ベトナムを主な舞台として、農林残渣を利用したバイオ炭の製造とその農業利用の検証を行います。この取り組みは、廃棄物を選別し、環境に優しい循環型資源として再生することを目的としています。農地での収穫量の安定化を図り、化学肥料の使用を削減し、CO₂の削減効果を確認するプロジェクトです。

バイオ炭の特性



バイオ炭は主に、樹皮やカカオ殻、もみ殻、稲わらなどの農林残渣から製造されます。これにより、土壌の改良効果があり、農業の生産性を向上させることが期待されています。また、バイオ炭は炭素を土壌に固定し、CO₂排出を抑える重要な役割を果たします。さらに、施用による炭素貯留効果は、カーボンクレジットとしての市場価値を持つため、実際のビジネスに変換することが可能です。

国際的な視点と意義



このプロジェクトは、ベトナム政府が推進する「100万ha稲作地プロジェクト」に関わり現地の農業環境研究所とMOUを結んでいます。これは、バイオ炭事業を通じて国際的な意味が強調されています。さらに、アジア地域に留まらず、南米での展開も視野に入れた事業戦略を採用しています。バイオマス資源が豊富なインドネシアやブラジルへの拡大を目指しています。

日本の技術を海外に輸出し、雇用を創出する狙いもあります。プロジェクトの完了後には、炭化装置の製造・導入により、国内外で55名の雇用創出が見込まれています。これは、地域経済の活性化にもつながります。

今後の展開



プロジェクトは、2025年7月に現地調査が行われ、その後装置の製造が始まります。2026年6月には実際の装置が現地に設置され、2028年3月には実証が終了する予定です。その後は、商用展開を通じて、2033年までにグローバルサウス諸国への年間70台の装置の展開を目指します。年間売上77億円の達成を目指した取り組みです。

製品紹介



トロムソが開発した連続式バイオ炭製造装置 TCE-C002は、地域資源を効果的に利用して安定した高品質のバイオ炭を製造します。主な特性として、樹皮や稲わらなどの多様なバイオマスを処理し、最適な炭化条件を調整可能です。これは、農業や林業の効率を向上させ、脱炭素社会の実現に貢献するための重要な装置です。

このように、株式会社トロムソの取り組みは、広島から始まり、国際的な市場を視野に入れた持続可能なビジネスモデルの構築へとつながっています。環境と経済の両立を目指したこのプロジェクトが、将来の農業のあり方に大きな影響を与えることが期待されています。


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