無償食事支援「こどもごちめし」始動
2025年7月22日より、吉野家と「はなまるうどん」が協力し、夏休みにおけるこどもたちの食の不安を解消するための無償食事提供プロジェクト「こどもごちめし」が全国でスタートします。この取り組みは、社会における子ども食堂化を進めるNPO法人Kids Future Passportと連携し、支援を必要とする中学生までのこどもたちに、栄養バランスの取れた食事を無償で提供するものです。
現状の深刻さ
夏休み期間中、学校給食がないことで、多くの家庭が食事に困難を抱えるという調査結果が明らかになっています。認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンが実施した調査によると、低所得のひとり親家庭の約40%が、子どもが1日2食以下の食事で過ごしているという現状があります。このような実態は、成長期にある子どもたちの健康にも大きな影響を与えており、加えて心の成長にも負の影響が及ぶ可能性を秘めています。
プロジェクトの内容
「こどもごちめし」では、吉野家が35,000食、はなまるうどんが3,000食、モスバーガーが10,000食を無償で提供する計画です。これにより、すべての子どもたちに食事を通じて心と体の成長をサポートすることを目的としています。また、NPO法人Kids Future Passportは、クラウドファンディングを通じて一般の皆様からの支援も募り、より多くの子どもたちに温かい食事をお届けする取り組みを広げていきます。
吉野家とはなまるうどんのこれまでの取り組み
2021年から、吉野家とはなまるうどんは欠食や孤食の問題に取り組み、こども食堂に栄養価の高い食事を提供してきました。2025年に向けて、このプログラムはさらに拡大予定で、今年の夏からは両社が協力して「こどもごちめし」プロジェクトに参画し、食事提供を開始しました。また、吉野家ではNPO法人むすびえとともに、冷凍牛丼を通じた食事支援も展開しています。このように、幅広い団体と連携することで、さまざまな形で子どもたちの食事を支える取り組みが進められます。
地域社会とのつながり
吉野家ホールディングスは、利便性だけでなく地域の文化を尊重しながらサービスを提供することにも力を入れています。移動販売車「オレンジドリーム号」を使い、離島や店舗のない地域にも食事を届けるなど、地域貢献を重視しています。また、香川県では地元料理を提供するなど、地域密着型の施策も導入されています。
はなまるうどんの地元貢献
はなまるうどんも地域住民とのつながりを大事にし、さまざまな取り組みを行っています。たとえば、創業25周年にあたる2025年からは、地元香川県で特別プロジェクトを開始し、うどんの材料に地元産小麦粉を使用するなど、地域の素材を大切にした料理を提供しています。また、公共交通機関とのコラボレーションを通じて、発祥の地でのイベント企画も進めています。
未来に向けて
今後も、吉野家とはなまるうどんは地域社会のニーズに応えながら、さらなる食の支援活動に取り組んでいくことを明言しています。子どもたちが健康に成長できる社会の実現に向けたフードプログラム「こどもごちめし」が、全国でどのように展開されるか、今後の動きに期待が寄せられます。