マルニ木工の「奇跡の椅子」がもたらした復活と感動の物語
広島から世界へ、家具の「HIROSHIMA」が指し示す情熱の軌跡。2023年に行われたG7広島サミットで、各国の首脳が使用した椅子「HIROSHIMA」。この椅子はただの家具ではなく、広島の家具メーカー「マルニ木工」の象徴としての意味を持っています。世界の技術とデザインが融合したこの椅子は、デザイン界で名を馳せたジョナサン・アイブ氏によっても認められ、アメリカのApple本社でも数千脚が使用されるなど、その存在感は絶大です。
この「HIROSHIMA」が生まれた背景には、マルニ木工が抱えていた厳しい状況がありました。1980年代の高度成長期において、洋風化の影響を受けて高級家具を100万セット以上も販売していた同社は、バブル崩壊以降に激しい経営危機に直面します。この時、地域の支援や努力により企業の存続を図り、その運命を変える決断が下されました。創業家の三代目である山中氏は、国際的なデザイナー深澤直人氏とのコラボレーションを実現し、「世界の定番を作りましょう」との挑戦を始めました。
深澤氏によると、彼がマルニ木工に協力を申し出たのは、同社が築いてきた「モノづくり」の哲学への信頼感からでした。このようなプロジェクトは、試行錯誤を経る中で、時に苦悩や困難も伴いますが、その先には必ず光が待っています。少しずつ人々の心をつかむ「奇跡の椅子」は、地元の支援を受けながら、やがて世界に羽ばたく存在へと成長を遂げました。
著者である小松成美氏も、この物語を通じて、マルニ木工の復活にかける熱意や希望を語ります。彼女はトークイベントにおいて、椅子のデザインだけでなく、その裏側にあるストーリーや、地域とのつながりの大切さについて深く掘り下げていく予定です。このイベントは句読点のように、参加者にとっても、広島、マルニ木工、そして「HIROSHIMA」を再考する機会となることでしょう。立ち上がりの姿勢や共創の力が、どのように人や地域を結びつけているのかを、じっくりお話しされます。
トーク終了後には、サイン会も予定されており、著者との直接の対話を楽しむことができます。本書についての質問や感想を伝えるチャンスです。マルニ木工が挑んだ道のり、そして「奇跡の椅子」の生まれた背景を知るこの機会を、ぜひお見逃しなく。
【イベント詳細】
- - 日程:2025年3月23日(日)
- - 時間:11:00~12:30
- - 会場:広島T-SITE スクエアギャラリー(広島市西区扇2-1-45)
- - 定員:100名(参加費無料)
- - 申し込み方法:3月7日(金)10:00~ マルニ木工HPにて募集
広島の未来を彩る「HIROSHIMA」の誕生物語を、ぜひ体験しにいらしてください。好奇心溢れる皆様のご参加を心よりお待ちしております。