広島初！神石高原町で始まる新たな地域おこし協力隊DAOの取り組み

広島県神石郡の神石高原町で2025年7月、地域おこし協力隊とデジタルコミュニティの仕組みを組み合わせた「地域おこし協力隊DAO」のプロジェクトが始まります。これは、広島で初めての試みです。そして、この地域おこしの背景には、文学的遺産である井伏鱒二の名作「黒い雨」があります。

今、全国で地域活性化が叫ばれる中、多くの地域が独自の取り組みを進めています。神石高原町でも、Web3技術を駆使したこの新しい試みによって、地域の魅力を再発見し、外部からの新たな交流を生み出すことを目指しています。

地域おこし協力隊DAOとは？

DAO（Decentralized Autonomous Organization）とは、ブロックチェーン技術を活用した分散型自律組織であり、地域外の方々がオンラインで参加し、地域の課題解決に対して積極的にアイデアを出せるコミュニティです。そしてこのDAOの特徴は、参加者が単なる「見物人」ではなく、意思決定や企画立案に対等に参加できる点です。

活動の目的と内容

開発の担当者sabii（さび）さんは、「この神石高原町で、私たちのつながりを通じて地域の魅力と新たな価値を引き出したい」とコメントしています。地域の住民や協力隊員が積極的に参加するこのプロジェクトは、神石高原町の様々な課題解決に貢献することを目指しています。

具体的な業務内容としては、まずは地域住民や外部から参加者を募ることから始めます。そして、新たな交流人口の創出や地域の魅力発信を行う活動が展開されます。

さらに、地域のシティプロモーションやSNSを活用した広報活動も重要な業務の一環です。これにより、神石高原町のブランド力と知名度の向上を図ります。

井伏鱒二の遺産と地域活性化

「黒い雨」は井伏鱒二の代表作の一つであり、原爆をテーマにした深いメッセージを持つ作品です。神石高原町はこの作品の舞台でもあり、地域の文化や歴史を学ぶうえでも重要な場所です。今回の取り組みを通じて、地域の歴史や文化、さらに井伏の作品を新たな形で多くの人に伝えていくことにも注目が集まっています。

未来への展望

神石高原町の入江嘉則町長も「DAOを通じて、全国的にも新しい地域連携のモデルを示していきたい」と意気込みを語っており、地域連携の新時代を切り開く意気込みが感じられます。

この取り組みが成功することで、地域経済の活性化だけでなく、全国に広がる新たな地域おこしのモデルとなることが期待されています。神石高原町が生み出すイノベーションが、どのように地域を変えていくのか、注目です。