世界のITエンジニア数が3000万人を超えた背景
最近の調査によれば、世界のITエンジニア数が初めて3000万人を超えたことが確認されました。総合人材サービス会社のヒューマンリソシアによる独自調査「2025年度版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.17」によると、2023年の時点で推定3,023.2万人のITエンジニアが活躍しています。この数値は前年から約2.2%の増加で、特にインドが他国を引き離し首位を独走しています。
国別のITエンジニアの状況
国別に見てみると、インドは499.6万人のITエンジニアを擁し、米国(439.9万人)、中国(342.0万人)を抑えてトップをキープしています。特にインドのITエンジニア数は前年比での増加が顕著であり、米国との差がさらに拡大しています。
一方、日本は154.0万人で世界4位を維持しつつも、他国に比べて供給源としての「IT分野の卒業者数」においては厳しい状況にあります。日本のIT分野の卒業者数は平均して2.2%の伸びにとどまり、G7の中でも最下位に位置しています。
東欧諸国の急成長
興味深いのは、スロバキアなどの東欧諸国が大幅な増加を見せている点です。これには国際情勢や地政学的要因が影響を及ぼしていると言われています。ウクライナ情勢による人材の移動や西欧諸国からのニアショア開発拠点への需要が背景にあると考えられます。
日本の現状と課題
日本ではITエンジニアの数が前年比で6.9%増加したものの、問題も浮き彫りになっています。例えば、現役のエンジニア数が増えているにもかかわらず、IT分野の卒業者数がそれに追いついていないという事実は、深刻な人材供給問題を示しています。専門的な人材が不足しているため、企業は文系出身者や異職種からのリスキリングを通じて力を入れざるを得ない状況です。
日本のITエンジニア数の新規供給率は3.1%にとどまり、米国の5.7%に比べて依存度が高いことが懸念されます。このため、少子化の進行とともにデジタルトランスフォーメーション(DX)需要が急速に増大する中、企業は専門的な人材を確保するための戦略を見直す必要があります。
海外人材の活用
これらの課題を乗り越えるためには、国内のIT専門学校や大学からの人材供給の強化が急務です。また、増加する海外のIT人材を活用することも一つの解決策として考えられています。多様なバックグラウンドを持つ人材が日本のIT業界で活躍することは、国際的な競争力を高め、ビジネスの成長に寄与するでしょう。
まとめ
世界のITエンジニア数が3000万人を超えた背景には、各国の供給力や国際情勢などさまざまな要因が存在します。日本は、4位を維持しつつも供給面での問題を抱えています。今後の成長を考えると、専門的な人材の育成とともに、海外人材の戦略的な活用が重要な鍵となるでしょう。もう一度、日本の教育現場や企業はこの現実を真剣に受け止め、次世代のITエンジニアを育てるための具体的なアクションを起こす必要があります。