広島県立加計高校芸北分校の断熱改修プロジェクト
広島県北広島町、厳しい冬と酷暑の夏が交錯するこの地域に位置する広島県立加計高等学校芸北分校の男子寄宿舎“雄学館”。この寄宿舎は、旧小学校の校舎を利用しているため、断熱性能が非常に低く、生徒たちの生活環境に大きな課題を抱えています。夏には38.7℃にも達する気温の中、スポットクーラーを僅かに頼りにした生活が続き、冬の寒さによっては洗濯物が凍りつくという過酷な環境下での生活を余儀なくされていました。
この状況を改善するため、地域の公衆衛生推進活動が活発に行われており、特に注目を集めているのがYKK AP株式会社と北広島町公衆衛生推進協議会、そして脱温暖化センターひろしまが共同で行った断熱改修ワークショップです。このワークショップは、ただの工事作業に留まらず、生徒たち自身が参加し、環境改善への知識を得る貴重な機会となりました。
地域の力を生かすワークショップ
この取り組みは、8月28日に実施され、YKK APが提供した「ウチリモ」という樹脂製内窓が特徴的です。この内窓は、今ある窓に追加する形で設置されるため、冷暖房効率を高め、室内の快適性を向上させることができます。この改修が実現できた背景には、YKK APの企業版ふるさと納税を活用した資金援助がありました。また、実際にボランティアとして参加した工務店3社の協力も欠かせない要素でした。これにより、リソースを限られた中で最大限に生かし、生徒たちによる改修活動が実現しました。
学生たちの実践的な学び
ワークショップでは、芸北分校の生徒21名が参加し、断熱改修作業に挑戦しました。生徒たちは、事前の話し合いで出てきた『夏に涼しく静かな自習室がない』『冬に洗濯物が凍ってしまう』という実際の課題をもとに、使用していない部屋を快適な自習室と物干しエリアにする方向で改修を行うことを決めました。
当日は、ボランティアの工務店と一緒に、壁への断熱材の取り付けや内窓の設置等を行い、「断熱材を施すことによって室温がどれほど変わるかを実感した」「この取り組みが芸北の厳しい環境でも快適に過ごすきっかけになればと思う」と多くの学生から感想が寄せられました。これらの体験は、地域の厳しい気候を少しでも改善しようとする生徒たちの主体的な学びの場となったのです。
今後の展望
YKK APは、このサポートを通じて持続可能な地域社会の実現を目指し、今後も地域や提携企業との連携を強化していく方針です。この活動は、将来を担う学生たちにとって、単に居住空間を良くするだけでなく、持続可能な社会への理解を深める貴重な学びの場となるでしょう。
これからもこのような活動を通じて、地域の未来を考える機会が増えることを期待しています。地域全体で生徒たちの快適な学びと生きづらい状況を改善していく取り組みは、まさに地域共同体の力を実感させてくれるものでした。