次世代に平和をつなぐ旅:広島被爆80年の実情を学ぶ
埼玉の生活協同組合パルシステム埼玉は、今年の8月4日と5日に広島を訪問しました。この訪問の目的は、80年前に原子爆弾が落とされた広島の歴史や、被爆者の体験を通じて、次世代の子どもたちに平和の大切さを伝えることです。参加者には役職員19人とその家族が含まれており、特に小中学生が多く参加しました。
被爆者の声を次世代へ
訪問中、パルシステム埼玉は「ピースアクションinヒロシマ・ナガサキ」と名付けられたプログラムに参加。初日はまず、広島平和記念資料館を見学し、そこから被爆者のお話を伺う機会を得ました。特に印象的だったのは、2歳の時に被爆した山田寿美子さんの証言です。山田さんは、原爆によって両親を失い、被爆者としての差別を受けながら成長しました。彼女の経験を通じて、参加者は被爆の実情とその影響を深く理解しました。
山田さんは、医療ソーシャルワーカーとして被爆者の生活を支える仕事をしてきました。「誰も一人ぼっちにしない」という信念のもと、彼女は差別を抱える人々に寄り添い続けます。参加者は、山田さんの言葉から平和の実現において自分たちに何ができるのかを考える機会を与えられました。
平和記念公園の散策
午後は、平和記念公園を訪れ、ガイドの説明を受けながら原爆ドームや平和の時計塔などを巡ります。訪問者たちは、世界遺産であるこの場所の重要性を実感し、広島の人々がどれほど平和を願っているかを感じ取ることができました。特に子どもたちは、歴史を学ぶことが未来を築くための第一歩であることを理解しました。
被爆ピアノを通じた平和のメッセージ
2日目には、映画「おかあさんの被爆ピアノ」を鑑賞しました。この映画は、爆心地で奇跡的に焼け残った被爆ピアノを修理・調律する被爆2世の調律師の実話に基づいています。映画の中では、音楽が持つ力が平和の象徴として表現され、参加者たちの心に強く響きました。音楽を通じて表現される平和のメッセージは、次世代の子どもたちに大きな影響を与えました。
最後の集まり「虹のひろば」
訪問の締めくくりには、「虹のひろば」というイベントに参加しました。ここでは、全国の生協から集まった仲間たちが、被爆の経験を語り、若い世代が平和活動について報告しました。特に、被爆地の若者や子どもたちのパフォーマンスは、観客に感動を与えたことでしょう。彼ら自身が平和を築いていく担い手としての責任感を感じ取ることができる素晴らしい機会となりました。
経験を次世代へ
今回の訪問を通じて、参加者は自身の感想や経験を報告書にまとめ、パルシステム埼玉のホームページ等で広く伝えていく予定です。こうした活動が、平和の大切さを次世代に伝える大きな一歩となります。今後もパルシステム埼玉は、利用者と共に平和の願いを未来に引き継いでいくことを誓っています。
2025年には国際協同組合年を迎え、広島でのさらなる平和活動が期待されます。これからも、この地に根付く平和の願いを忘れず、共に歩んでいくことが大切です。