建設業におけるDX導入の現状と海外人材の活用状況
建設業界では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の導入が他の産業に比べて遅れていることが明らかになりました。ヒューマンリソシアが実施したアンケート調査により、建設業に従事する345名のビジネスパーソンから、業界の人材不足やDXに対する取り組みの実態が浮き彫りになったのです。
現在のDX導入状況
調査によれば、建設業で「DXが進展している」との回答はわずか14.2%にとどまり、他の産業に比べおよそ1割遅れている状況が伺えます。多くの企業がDXに取り組んでいるものの、実際の進展は限定的とされています。約72%の企業はIT人材の不足を実感しており、これはDX推進の大きな障害となっています。
現在、62%の企業がDXに取り組んでいると答えているものの、他産業の73.6%と比べると低い数値です。この結果から、建設業におけるデジタル改革には、より多くの人材と技術が必要であることが示されています。
IT人材不足の影響
調査では、IT技術者が「非常に不足している」との回答が15.9%、不足しているとの回答は30.1%に達し、総計で72.1%の企業がIT人材不足を感じています。また、今後3年から5年の見通しでも、56.5%が人材不足が拡大すると予測しています。このことは、建設業が直面している深刻な課題であり、対応が急務であることを示しています。
特に「IT人材不足」が「一層拡大する」との回答は、3年後には19.7%から5年後には25.8%に上昇するとのことです。これは業界全体に強い危機感をもたらしています。
海外ITエンジニアの活用
調査の中で、海外ITエンジニアの活用状況についても触れられました。多くの企業がIT人材不足の克服に向けて、海外エンジニアの採用を視野に入れています。具体的には、20.9%の企業が「積極採用している」と回答し、さらに42.8%が「採用している」とのことで、合計63.7%が海外ITエンジニアの採用に取り組んでいるという結果が出ています。
特に、DXが進展している企業では83.7%が「海外人材の活用が必要」と認識しており、DX推進における人材戦略の重要性が浮き彫りになっています。建設業のDXを進展させるためには、海外人材の力を借りることが有効な対策だとされています。
まとめ
ヒューマンリソシアの調査結果を通じて、建設業界のDX推進が遅れている現状、IT人材不足という課題、そしてその解決策としての海外ITエンジニアの活用の必要性が明らかになりました。今後も、建設業界における人材戦略は、ますます重要なテーマとなっていくことでしょう。海外からの人材をうまく活用することで、建設業の生産性を高め、DX推進を加速させることが期待されます。