叡啓大学が提供する新たな課題解決演習に挑む学生たちの実践型学び
広島市中区に位置する叡啓大学では、3年生対象の「課題解決演習Ⅱ(Project Based Learning Exercise II)」が始まりました。この授業は、地域のクライアントが抱えるリアルな課題に、学生たちが約4か月間で取り組み、解決を目指す実践的な教育プログラムです。授業のスタートとして、4月25日(金)にはクライアントからのテーマ紹介と質疑応答が行われ、学生たちが各自の提案を考えるための第一歩を踏み出しました。
教員からの授業概要
この課題解決演習を担当する松浦康之講師は、学生たちに授業の全体像を説明しました。プログラムは春クォーターでの4つのステップを経て、夏クォーターに進む形で構成されています。春には「プロポージング(提案)」「フィールドワーク(調査)」「コー・レビュー(共考)」「レポーティング(報告)」の4つのステップがあり、その後の夏クォーターではチーム編成を行い、さらに「コー・サーチ(共探)」「コー・クリエイション(共創)」「フィールドワーク」「レポーティング」の4ステップが待っています。
この一連の流れを通じて、学生たちは実際の問題を発見し、その原因を探り、最終的には解決策を提案する能力を磨いていきます。
クライアントとの連携
今回の演習には、いくつかの地域企業や団体がクライアントとして参加しており、それぞれ異なるテーマに基づく課題が提示されています。例えば、株式会社たびまちゲート広島からは、「観光客を広島市内に効率的に誘導するための集客方法」がテーマとして取り上げられ、既存の店舗の特徴を生かした提案が学生たちに求められています。同社は、地域全体の活性化を目指し、学生のフレッシュなアイデアを期待しています。
さらに、イームル工業株式会社では、20代前半の若者を引き付けるための施策や、社員の女性比率を増加させるための提案がテーマとして導入されました。こちらも、学生たちの多様な視点が求められる内容となっています。
また、在大阪・神戸米国総領事館では、日本の若者が市民的技能を身につけ、より多くの政治参加が促進されるための方法を探る提案がなされました。このように、それぞれのクライアントは非常に多様であり、学生たちはさまざまな課題に対してアプローチを試みます。
学生たちの姿勢
初回授業では、各クライアントへの質問や意見交換が行われました。学生たちには、ターゲットとなる年齢層や利用目的、具体的な課題事例について考えることが求められました。このような実践を通じて、彼らは理論を超えた現場での学びの重要性を実感し、社会との接点を深めることができるのです。
過去には、最終報告会の資料なども特設サイトで公開されており、すでに挑戦した学生たちの成果物が地域へも影響を与えています。叡啓大学のウェブサイトでは、今後の展開や各プロジェクトについても随時情報が発信される予定です。
「叡啓大学の課題解決演習は、学生たちが地域と真剣に向き合う姿勢を育む貴重な機会です。企業との共同研究から生まれる新たなアイデアが、地域をより良い方向へと導くことが期待されます」と松浦講師は述べています。このプログラムが学生たちの成長にどのように寄与するか、今後の成果に注目したいところです。