長崎の平和の物語を世界に
対馬市立東部中学校と壱岐市立石田中学校の生徒たちが中心となり、特定非営利活動法人のなかよし学園プロジェクトが手掛けた絵本『はじめてのナガサキ』が、世界の教室に新たな平和教育の息吹を吹き込んでいます。本プロジェクトの目標は、戦争やその影響を理解し、行動に移すきっかけを提供することです。
絵本制作の背景
戦後80年を迎えた今、「ヒロシマ・ナガサキ」という言葉は広く知られていますが、その中身は必ずしも理解されているわけではありません。そこで、このプロジェクトは「言葉を知る」から「理解し行動する」ことを目指して、長崎の歴史を絵本として一般に提供しようとしました。特に、長崎には十分な平和教育の素材が不足しているという課題があり、なかよし学園はこの絵本を通じてそれを解決することに取り組んでいます。
制作の過程
乗っかることでしか強固なものにならない、長崎の物語。生徒たちは、それぞれの得意分野や日常の授業を基に、絵本作りに挑戦しました。彼らの提供した絵は、活用され、編集され、最終的には皆が参加した“共創型の平和絵本”として仕上がりました。これをもって、平和のメッセージを学校全体の学びとして共有することが目指されました。
カンボジアでの絵本朗読
完成した『はじめてのナガサキ』は、最初にカンボジアの難民キャンプで朗読されました。その際、現地の人々から「日本の長崎の物語は、私たちにとって希望の言語だ」との共感の声が多数寄せられました。このプロジェクトは、単なる書物の翻訳や配布に留まらず、戦争の痛みや苦しみを背負う人々に向けた希望のメッセージとしての役割も果たしています。
地雷博物館への寄贈
さらに、この絵本はカンボジアの地雷博物館にも寄贈されました。地雷除去プロジェクトで有名なAKI・RA氏は、絵本のストーリーを通じて、戦争の影響がいつも弱い立場の人たちに及ぶことを強調しました。彼は、戦争にNOと言える世界作りの重要性を訴えました。
PEACE BATONプロジェクト
この取り組みは、今後も続いていく予定であり、全国の学校から生徒たちが英語翻訳を通じて、国際的な平和教育を進めるPEACE BATONプロジェクトが立ち上がります。翻訳という学びのプロセスが国際協力につながり、世界の紛争地における教育支援が広がっていくことが期待されます。
代表者のメッセージ
なかよし学園の中村雄一理事長は、「『ヒロシマ・ナガサキ』の言葉が、知識だけで終わらずに理解と行動に結びつくことが大切」と語ります。彼は、世界の学校での平和教育の活動を通じて、子どもたちが未来を変えられる力を持ち、彼ら自身がその認識を深めることが重要だとも述べました。
このように、長崎の歴史を基にした『はじめてのナガサキ』は、世界の子どもたちへ平和のメッセージを伝える大切な教材となっており、今後の展開が非常に楽しみです。