2025年2月22日、広島国際会議場で開催された第30回日本病院総合診療医学会学術総会で、特に注目を集めたのが千葉大学医学部附属病院総合診療科によるワークショップです。このワークショップでは、株式会社OPQRSTが開発したAI問診シミュレーションツール「OPQRST」を活用したデモンストレーションが行われました。
このセッションの目的は、医療者の診断能力を向上させることです。参加者は、AI模擬患者システムを通じて、リアルな問診体験を実施しながら、ファシリテーターからリアルタイムでフィードバックを受ける形で診断推論やコミュニケーションスキルの向上を目指しました。
OPQRSTは、参加者が体験することで、診断の流れや対話の進め方を学ぶ機会を提供します。このシミュレーションツールの優れた点は、患者の症状や応答がリアルタイムで変化するため、参加者は実際の臨床現場を想定した場面での学びが可能になる点です。
ワークショップでは、様々な難易度の症例を用意し、参加者自身がどのように質問し、答えるべきかを模索しました。「実際の臨床現場を想定したシミュレーションができる」といった好評の声が多く上がり、その効果が実証されました。さらに、参加者は問診の流れを客観的に振り返ることができ、西洋医学におけるコミュニケーション技術の大切さを再認識する機会ともなったようです。
OPQRST社は、医療教育の現場でもっと実践的な学びが提供できるように、引き続きAI技術を活用し、問診シミュレーションの開発を進めていきます。全国の医療機関や教育機関と連携し、医学生や研修医がより効果的に学習できる環境を整えることを目指しています。
会社の概要
株式会社OPQRSTは、千葉大学発スタートアップ企業として2024年に創業されました。医療情報の提供や臨床、教育、研究支援を目的としたWEBサービスを開発しています。本社は東京都渋谷区道玄坂にあり、代表取締役社長は栁田育孝氏です。詳細な情報は公式ウェブサイト(
opqrst.co.jp)をご覧ください。
医療者の診断能力向上に貢献するための取り組みは、今後も続けられ、医学教育の質を高めるために重要な役割を果たしていくことでしょう。OPQRSTが今後どのような展開を見せるのか、目が離せません。これらの取り組みを通じて、医療現場でのより良い患者対応が期待されます。