叡啓大学の学生たちが田植え体験
2025年5月4日、叡啓大学の学生と留学生が広島県安芸太田町に位置する井仁の棚田で、田植えのボランティア活動を行いました。この活動は、地域の農家との協力によって実現されたもので、学生たちにとって貴重な学びの場となりました。
美しい景色とともに
広島市中区にある叡啓大学から、准教授のHIGGINBOTHAM George氏と14名の学生らは、早朝に出発。約1時間のドライブを経て、緑豊かな井仁に到着しました。天気は晴れ、田植えには最適なコンディションです。
井仁は、広島県の北部に位置する小さな村で、美しい棚田が広がっています。ここでは、高齢化や人口減少が進む中、農作業に対する地域のサポートが欠かせません。そんな中、河野様をはじめとする地域の農家の方々が、学生たちに田植えのやり方を教えてくれました。
田植え体験の始まり
参加者は、伝統的な田植え方法で、素足で冷たい泥の中に入りました。生き物たちが棲息する水田で、20センチ間隔で手作業で苗を植えていきます。多くの参加者がいたため、わずか1時間で3つの田んぼを植え終えることができました。地元に生まれ育った小野様も参加しており、彼からは土地に根ざした知恵を学ぶ貴重な機会がありました。
昼食と寺の訪問
田植えが終わった後は、近くのお寺で昼食を取ることにしました。住職の大江様と出会い、立派なお寺を見学した後、大きな鐘をつく体験も行いました。お寺の境内から見渡す棚田の景色は素晴らしく、心が落ち着く瞬間でした。
食後には、大江様が案内してくださる井仁の森へも足を運びました。森には樹齢200年以上の木々があり、参加者はその歴史的な木々に圧倒されました。美しい自然の中を散策し、普段の生活では味わえない清らかな空気を吸い込むことができました。また、フィールドワークを通じて、耕作放棄された農地が自然に還っていく様子にも触れることができ、地域の変化を実感しました。
地域の未来を考える
フィールドワークを通じて、大江様からは村の人口減少についての貴重な話も聞くことができました。かつては200世帯以上が暮らしていたが、現在では50人未満まで減少したとのこと。このような状況の中で、学生たちが地域の美しさや伝統を守り続けるための努力が必要だという実感を深めました。
終了後の一息
帰り道では「棚田カフェ イニ ミニ マニモ」に立ち寄り、コーヒーとケーキを楽しむことに。広島で最も美しい景色が広がるカフェで、参加者たちの思い出を振り返りながら、楽しい一日を締めくくりました。午後6時ごろに叡啓大学に戻った学生たちは、貴重な体験をお互いに語り合いながら、地域の美を維持するための取り組みについて学んだと意気込んでいました。
4年生の山本智也さんは「この地域の美しさを維持するための取り組みについて学ぶことができました。この美しさを維持する上で直面する課題を理解し、その価値を最大限に生かすことは、地域全体の発展につながると信じています」と語りました。地域の未来を考える貴重な時間となりました。