『うさぎのしま』
2025-06-10 11:35:23

戦後80年の記憶を伝える絵本『うさぎのしま』が登場

戦後80年の歴史を紡ぐ『うさぎのしま』



2025年6月12日にリリースされる絵本『うさぎのしま』は、広島県の大久野島を舞台にした作品です。この島は、「うさぎのしま」として訪れる多くの観光客に愛されていますが、実は歴史の裏には暗い過去が潜んでいます。昨今の環境問題を考える契機となるこの絵本は、日本絵本賞受賞歴を持つ作家たちによって紡がれました。

お話の内容


本作の主人公は、白いうさぎを見つけた親子です。彼らが尋ねる一言が、意図せず封印されていた記憶を甦らせるきっかけとなります。この物語は、第二次世界大戦中に極秘で毒ガスが製造されていた大久野島の実際の歴史と、現在の島のうさぎたちの姿を重ね合わせて描かれています。

大久野島のうさぎたちは、約500羽が現存し、その可愛さから観光客を惹きつけています。一見すると平和な風景ですが、その背後には歴史の影があります。かつてこの島では、化学兵器の開発のために白いうさぎが実験動物として使われていたのです。絵本は、その真実を子どもたちにわかりやすく、かつ丁寧に伝えています。

繊細なイラストと深遠なテーマ


絵本『うさぎのしま』は、柔らかなパステル画でしっかりとしたメッセージを持つ作品として、多くの読者から注目を集めています。絵本作家・近藤えりと、画家・たてのひろしが手掛けたこの作品では、うさぎたちの視線を通して、現代人がどのように戦争や環境問題と向き合うべきかを考えさせる要素が散りばめられています。

巻末には福島大学の教授・兼子伸吾による解説も収録されており、歴史の解説やうさぎの生態への言及もあり、さらに深い考察を促します。この絵本は、過去の教訓を生かし、未来を考える際にも大いに役立つ一冊です。

読者の反響


すでに先行して公開された版を読んだ方々からは、多くの感想が寄せられており、その中には、戦争の現実を肌で感じさせられたという意見や、うさぎたちの可愛さと残酷な歴史のギャップに心を打たれたという声がありました。読者は、この物語を通じて目を逸らさずに歴史を見つめ直す重要性を再確認しています。

イベントの開催


『うさぎのしま』の刊行記念として、全国各地で原画展やトークイベントが開催予定です。広島をはじめ、京都や奈良でも展覧会が行われ、作者たちによるサイン会もある予定です。絵本の背後にある深いテーマを考える機会として、ぜひ足を運んでみてください。

終わりに


この絵本は、ただこどもたちに物語を語るだけでなく、『うさぎのしま』を通じて私たちの生活の背景にある歴史を考えるきっかけを提供します。未来の世代にも受け継がれるべきこの作品を、多くの人に手に取ってもらいたいと願います。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

関連リンク

サードペディア百科事典: 絵本 大久野島 うさぎのしま

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。