八天堂ファームが広島ベンチャーキャピタルから出資を受ける
株式会社八天堂ファームは、地域の商工農福連携を進めるために、広島ベンチャーキャピタルが運営する「ひろしま未来創造投資事業有限責任組合」から出資を受けました。これは八天堂ファームにとって重要なマイルストーンであり、地域経済の活性化を目指す新たな取り組みとして期待が寄せられています。
資金調達の背景
広島ベンチャーキャピタル(HVC)は、2025年に設立される「ひろしま未来創造投資事業有限責任組合」で、未来のスタートアップへの投資とともに社会的インパクト投資を行い、地域の経済成長に寄与しようとしています。八天堂ファームの事業モデルが持続可能な社会貢献を実現することから、本出資に至ったことが評価されています。本件は、HVCにとっての社会的インパクト投資の第一号案件にもなります。
社会的課題に対する取り組み
日本各地での果樹農家の担い手不足が生産量の減少を招いており、さらに障がい者や高齢者、生活困窮者など、経済的に困難を抱える人々が増えています。このような背景の中、八天堂ファームは2021年にオーナー不在となったぶどう園を引き継ぎ、2022年には新たに法人を設立。農業と福祉を結びつける「商工農福連携」という新たなモデルを確立しました。これにより、多様な労働力が活躍できる環境を創出し、持続可能な利益を提供しています。
農福コンソーシアムの設立
八天堂ファームは、2024年8月に行政や企業、研究機関と協力して「農福コンソーシアムひろしま」を設立しました。このコンソーシアムでは、地域の農業と福祉の連携を一層強化することを目的としており、様々な関係者が連携し、地域全体を巻き込む取り組みを進めます。
資金の活用方法
今回得た資金は、障がい者の雇用の向上や所得改善に向けた持続可能なモデルの構築に寄与します。具体的には、農産物の規格外品を活用した加工品の開発や、商品化のためのマネタイズモデルを構築し、農福連携に関わる新たな事業者が参加しやすい環境を整備する予定です。
今後の展望
八天堂ファームは、社会的インパクトの適切な指標を設定し、定期的にレポートを発行することで、事業の成果を可視化していく方針です。具体的な指標としては、雇用人数や平均賃金、福祉事業者と農業事業者の参加状況などが含まれています。これにより、八天堂ファームは単なる社会貢献ではなく、持続可能なビジネスとして社会課題を解決するモデルとなることを目指しています。
参画者の期待とコメント
八天堂ファームの代表取締役である林義之氏は、今回の出資を機に農福連携をビジネスとしてサステナブルな形で進めていく意欲を示しました。一方、HVCの西岡社長は、八天堂ファームの取り組みが地域から新たな雇用を生み出し、持続可能な地域社会の実現に向けたモデルケースになることを期待しています。
八天堂ファームは、地域の農業と福祉の架け橋となり、持続可能な社会の実現に向けて引き続き努力していくことでしょう。今後の活動と成果に注目が集まります。