柏市で実施された「世界とつながる学び」講演会の全貌と未来
2023年10月16日、千葉県柏市の富勢東小学校にて「世界とつながる学び」をテーマにした講演会が開催されました。この講演は、なかよし学園プロジェクトによるもので、経済産業省の事業採択を受けて全国で展開されています。講演の主な内容は、山口祥子校長が手掛けた折り鶴がシリアやルワンダに届けられた事例の紹介や、児童が自ら制作する教材が世界でどのように使われるかを探る内容でした。
講演の内容とその意義
講演では、「世界のリアルを知って今、自分に何ができるか」というテーマのもと、誰もが平和づくりに参加できる視点が提示されました。この中で、山口校長はCoRe Loop(Co-create & Return Loop)のコンセプトに基づく教育手法を紹介し、児童たちが「支援される側から支援する側へ」と変わっていく過程を説明しました。
実際に、校長が折った折り鶴は、国内外で児童たちを繋げる架け橋になっており、現地からの反応が次の学びに生かされる循環を作り出しています。特に、講演後すぐに、校長からの情報を受けた子どもたちは興奮し、自分たちも平和活動を始めることへの意欲を示しました。
児童の主体性と低学年からの参画
富勢東小学校では、低学年の児童も積極的にこの活動に参加しており、1・2年生が掘ったサツマイモを食育支援に活用するなど、身近な資源を使った探究活動にも取り組んでいます。こうした活動は、世界の笑顔を生み出すことを目指しています。
講演後の感想と展開の可能性
講演を終えた山口校長は、「子どもたちは現地と直接つながることで、世界を“感じて”学べる」とこのプログラムの意義を強調しました。報告を聞いた柏市教育委員会の宮本副参事も大変興味深く感じ、継続的な実施を期待しました。
特にこのプロジェクトは、柏市内での展開が進んでおり、柏の葉中学校や名戸ケ谷小学校でもすでに実施されている展開が見受けられます。来年度にはさらなる拡大が計画されています。
地域への波及と今後の計画
この講演は地域の保護者や住民も参加し、一般社団法人みらいのたね応援団の吉峰武徳氏は、「流山市でもこのようなプロジェクトを実施してほしい」とコメントし、広がりに対する期待を示しました。さらに2026年には流山市で一般向け講演も予定されています。
なかよし学園は現在、全国50の学校で本プロジェクトを展開中であり、講演後には他の地域の成功事例も紹介しつつ、柏市内での横展開を目指しています。今後、富勢東小学校では、学年ごとの探究を教材化して海外授業を実施し、最終的には子どもたちの学びが反応として還流される一連のプロセスが整備される予定です。
また、南スーダンやシリアにおける教育授業も計画されており、食育や平和構築など幅広いテーマが扱われる予定です。
未来への展望
このような「世界とつながる学び」プロジェクトは、柏市だけでなく他の地域にも可能性を示しています。子どもたちが主体的に世界と繋がり、学びを深めることができるこの取り組みは、地域社会全体に新しい風をもたらすことが期待されます。なかよし学園プロジェクトは、引き続きこの活動を推進し、全国各地での拡大を図っていきます。