世界のITエンジニア給与動向
最近発表された「2025年度版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.18」によると、世界のITエンジニアの給与が上昇している中で、日本はG7全体の中で最も低い水準にあることが明らかになりました。調査を実施したのは、ヒューマンリソシア株式会社で、世界70カ国のITエンジニアの給与をUSドルで比較した結果が以下に示されています。
世界各国のITエンジニア給与
ITエンジニアの平均年収は、スイスが約10万ドル、アメリカがそれに続く形で高い水準を維持しています。これに対し、日本の平均年収は29,813ドルと、アメリカの約3分の1程度にとどまっており、G7メンバーの中で最も低い状況です。
調査によれば、世界の約70%以上の国でITエンジニアの給与は前年に比べて上昇していますが、日本の増加率は5.3%にとどまっており、順位では16位です。特に、パナマでは39.6%、ルーマニアでは29.6%もの増加を記録しており、急成長を遂げている国々が目立ちます。
現地通貨での給与推移
USドルによる比較は為替レートの影響を受けるため、日本の現地通貨でのITエンジニア給与は過去5年間で14.3%の増加を見せています。しかし、これは米国の10.9%、ドイツの10.1%、さらにはインドの40%もの増加に比べると明らかに少ない数値であり、国際的な観点から見ると相対的に給与の低さが浮き彫りとなります。
IT職種における魅力の低下
さらに、全産業と比べた場合、IT関連の給与の優位性も日本はG7で最も低い128.9%という事実が示されています。IT業界の給与が他の業種よりも高い国々(米国182.5%、インド220.3%など)に比べ、日本はその魅力に欠けており、IT職種の「なり手不足」や優秀な人材が海外へ流出する懸念が高まっています。
このような中、日本の企業が持続的成長を実現するためには、IT職種の待遇改善が不可欠であり、より多くの人材に日本を選んでもらうための施策が急務です。
今後の展望
IT関連の給与上昇を背景に、海外からの高度人材を獲得するためには、日本の魅力を発信し、人材が働きたくなるような環境を整える努力が必要です。グローバルな競争が激化する中、つねに労働環境を見直し、適切な給与体系を確立することとともに、安全で魅力的な生活環境の提供も重要になるでしょう。
この調査報告書は、ITエンジニアとしてのキャリアを検討する上で非常に参考になるものであり、日本の現状を見つめ直す機会ともなることでしょう。今後、国内のIT業界が魅力的になっていくことを期待されています。