広島中心街、被爆80周年を迎えて
2025年、広島は被爆80周年を迎えます。この歴史的な節目を記念し、広島市の中心部に新たに設置されることとなったのが、IoT技術を活用したスマートゴミ箱『SmaGO』です。総数16台が設置され、来訪者を「クリーンな街」でお迎えしようという心温まる取り組みが進行中です。
スマートゴミ箱、SmaGOの特徴
『SmaGO』は、株式会社フォーステックが開発した地球環境に優しいゴミ箱です。太陽光エネルギーで稼働し、ゴミを自動で圧縮して量を約5分の1に減少させます。これにより、ゴミが溢れにくくなり、広島の美しい街並みを守ることができます。また、通信機能を備えているため、収集の必要がある際は通知され、業務の効率化にもつながります。
さらに、SmaGOはその見た目にもこだわり、アート作品でラッピングされています。広島の『ART BORN HIROSHIMA』プロジェクトに所属するアーティスト、大沼寛明氏による平和をテーマにしたアートが施され、このゴミ箱がただの収集装置ではなく、平和のメッセージを伝える存在となっています。
地域との協働体制
このプロジェクトは、広島市、株式会社ドリーム・アーツ、株式会社フォーステックの3社による公民連携のもとで実現しました。広島市では、被爆80周年にちなみ、平和文化の発展に寄与する様々な事業を進行中です。環境局長の髙山豊司氏は、このスマートゴミ箱設置が「まちの姿を通した平和への願いの発信」と位置づけられるとしており、市民と来訪者が日常的に手にすることで、自発的に平和に対する意識を高めることが期待されています。
協賛企業の思い
ドリーム・アーツの代表取締役、吉村厚司氏は、「SmaGO」は街の美化だけでなく、人々の意識を変える力を持ち、日常生活の中で平和を感じる手助けになると語っています。また、フォーステックの竹村陽平社長は、この取り組みを通じて、持続可能な美しい社会の実現につなげることを強調しています。
設置場所と広がり
具体的な設置場所は、アサヒビール館前、福屋南館前、福屋八丁堀本店前、合人社広島紙屋町ビル前、信和広島ビル前、広島セブンビル前、広島三栄ビル前、中区役所前の全8カ所です。これにより、広島の市民や観光客が触れる機会が増え、平和へのメッセージをより多くの人々に届ける狙いがあります。
アートの力
大沼氏のコメントには、アートを通じて平和と調和を願うメッセージが込められています。「街の復興を描きながら、子どもから大人までがアートでハッピーになれることを願っています」との言葉は、SmaGOの意義を象徴しています。アートが人々を結びつけ、心を癒す力を持つことを示しています。
まとめ
広島市が誇る新しいスマートゴミ箱『SmaGO』は、ただの古いゴミ箱から進化したものです。アートの力を借りて、美しさと平和のメッセージを発信することで、市民の行動を意識化させ、未来に向けた意義ある街づくりが実現されることでしょう。来る80周年のお祝いの際には、より多くの人々がこのプロジェクトの存在意義を肌で感じ、広島から平和のメッセージが国内外へと広がることを期待しています。