大久野島の物語
2025-05-30 11:17:20

絵本『うさぎのしま』が語る大久野島の過去と今

絵本『うさぎのしま』の誕生



広島県大久野島。この島は、可愛らしいうさぎたちが暮らし、観光客に親しまれています。しかしこの島には、目を背けがちな戦争の過去が隠されています。世界文化社が発売する絵本『うさぎのしま』は、その複雑な歴史と、今の大久野島を結ぶ重要な役割を果たします。

戦争の記憶を静かに語りかける



本作は、作家・近藤えりさんと画家・たてのひろしさんの共同作品です。彼らは数ヶ月にわたって大久野島を取材し、その土地が抱える痛みと希望を、可愛らしいうさぎを通して描きました。

絵本の物語は、親子が白いうさぎを見つけるところから始まります。「あの子、おかあさんも白い?」という問いかけが、封印された過去を呼び覚まします。シンプルな会話が、戦争とその影響を静かに語りかけるのです。

大久野島の隠された歴史



大久野島は、戦時中に化学兵器の製造が行われた場所として知られます。現在でこそ、愛らしいうさぎが多くの人を惹きつける観光地ですが、過去には多くの人々がその影響を受け、苦しんでいました。この絵本は、その歴史を子どもたちに理解させるためのキーとなるものとなっています。

環境と命、未来を考える



本書は、ただの絵本ではありません。戦争と環境の問題、そして命について考えるきっかけを提供します。うさぎとの出会いを通して、子どもたちに「自分には関係ないこと」と思われがちな歴史と現代がいかに繋がっているのかを教えてくれます。

巻末には、解説が掲載されています。この解説は、大久野島の毒ガス工場としての歴史や、うさぎに関する詳しい研究がまとめられており、戦争と環境の関係について深く理解を進める内容になっています。

著者たちの願い



たてのひろしさんは、後書きにて、白ウサギの存在がどのように人類の過去と未来を想起させるかを語っています。大久野島の自然環境や戦争による影響が、次世代にどのように受け継がれていくのかを考えることの重要性が強調されています。

彼はこの絵本が多くの人々に興味を持ってもらい、歴史や環境問題に対して思いをはせるきっかけになることを願っています。

書籍情報



  • - 書名: うさぎのしま
  • - 著者: 近藤えり、たてのひろし
  • - 価格: 1,980円
  • - サイズ: A4変型版/40ページ
  • - 発売日: 2025年6月12日
  • - 発行元: 世界文化社

この絵本は、ただの読み物ではなく、未来を築く子どもたちへのメッセージが込められています。大久野島のうさぎたちと共に、過去を知り、未来を考えるきっかけになることでしょう。


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