日本のテーマパーク市場の現状と未来
2025年7月、沖縄にオープン予定の自然体験型テーマパーク「ジャングリア」が、国内のテーマパーク市場に新たな風を吹き込むことでしょう。近年、愛知県の「ジブリパーク」や東京の「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京」など新しいエンターテインメント施設の開業が相次ぎ、特にコロナ禍を経て訪日観光客が急増したことにより、日本のテーマパークの競争が激化しています。大規模な調査を実施した株式会社ネオマーケティングの結果を基に、テーマパーク利用者の選好や消費傾向を徹底分析します。
調査概要
ネオマーケティングは、2025年7月7日から8日にかけて、全国の20歳以上の男女1,000名を対象にマーケティング調査を行いました。テーマは「テーマパーク」についてのもので、特に「1年以内に1度でもテーマパークに訪れた」とする人々を中心にデータを収集しました。調査では、テーマパーク利用時にかかる平均支出額から選好するパークまで多岐にわたる質問が含まれました。
平均利用金額の分析
注目すべきは、40代の消費傾向です。この世代からは約20%が「30,000円以上」の金額を使い、全体の中でも最も高額な消費を示しています。40代は子育てが落ち着き、経済的余裕が出てくる時期であるため、家族での来園がリッチな体験につながっていると考えられます。実際、家族と一緒に来園する割合が高いことも本調査で示されています。
また、全体的な平均支出額は「10,000~14,999円」が最多で、特に女性では30,000円以上の支出が多い傾向があります。他の世代よりも高い支出を行うのが特徴的であり、特に20代の多くが「15,000~19,999円」を選ぶ一方で、40代だけが別格の創出層といえます。
テーマパークの選択基準
テーマパーク選びで重視するポイントは「アトラクションの魅力」が67.5%と最も高い評価を受けています。しかし、年代別でみると60代では『キャラクター・世界観』と『パークの規模』に対しての関心が高まり、シニア層ほど安心して楽しめる環境へとシフトする傾向が見られました。
利用する人たちの背景
家族で訪れることが多い40代が高額消費を担う一方で、20代は「友人」との訪問が最多という結果が得られています。20代の間では、友人や恋人と一緒に行く機会が多く、家族連れとは異なるニーズがあることが示されています。また、近年、若い世代ではコストパフォーマンスを重視し、特定の時期に訪れる「おひとり様」やグループ利用の層が目立っています。
情報収集のスタイル
情報源としては、SNSや動画サイトが主流となっており、特に20代女性ではSNSの利用が圧倒的です。対照的に60代はテレビや雑誌といった従来のメディアを好む傾向があり、それぞれの年代によって異なる情報収集スタイルが見受けられます。
今後の展望
2025年の「ジャングリア」開業を控える中で、国内のテーマパーク業界はますます活気づいています。顧客動向を踏まえたマーケティング戦略の重要性が高まっており、今後も新たな施設が誕生する中で、テーマパークの役割はさらに広がっていくことでしょう。家族、友人、恋人との思い出作りに最適な場として、今後の展開から目が離せません。今後の動向に期待大です。