国産レモンを活用したエコ名刺で循環型社会を目指す

循環型社会の実現に向けた新たな試み

サッポロホールディングスのグループ会社、ポッカサッポロフード＆ビバレッジが注目のプロジェクトを開始しました。広島県大崎上島町の自社レモン圃場で生まれたレモンの枝葉を使用した「国産レモンペーパー」を利用して、環境を考慮したアップサイクル名刺を製作する取り組みです。このプロジェクトは、6月5日の世界環境デーや環境月間にちなんで実施されており、企業の社会的責任や持続可能な開発に資する新しい挑戦となっています。

環境保全への取り組み

この取り組みの背景には、サッポログループが掲げる「環境ビジョン2050」があります。このビジョンでは、「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「自然共生社会の実現」を目指し、さまざまな環境保全活動が展開されています。具体的には、自社拠点やサプライチェーンでのCO2排出量削減、プラスチック資材のリデュース・リサイクル、水資源の保護、食品ロスの削減などですね。

国産レモンと地域との結びつき

サッポログループは、2013年から広島県とのパートナーシップを形成し、2016年には大崎上島町とレモン生産振興に関する包括協定を結びました。さらに、2019年には自社圃場を設立し、社員が実際にレモンの育成に関与することで、地域社会との関係を深めてきました。レモンの栽培においては、5年以上経過した木からは通常の収穫量が期待できなくなります。そのため、不要となる枝を剪定する必要がありますが、これらの枝葉はしばしば十分に処理されず、廃棄物として残されることが多いのが現状です。

そこで大崎上島町で発生した未利用のレモンの枝葉を活用し、国産レモンペーパーとして再生し、それを名刺に使用することで、環境負荷を低減し、資源の有効活用を図るという視点が育まれたのです。

オリジナル名刺の誕生

名刺制作にあたっては、株式会社ペーパルとの協力が大きな役割を果たしました。ノウハウを持つ老舗の紙屋が、レモンの枝葉の水分量や繊維構造を細かに分析し、利用に適した形状に加工しました。特に硬いトゲを持つ枝の処理には苦労も多かったですが、さまざまな粉砕法を試しながら最適な粒度を見つけました。これによって、紙そのものの持つ温かみとレモン特有の素材感を損なうことなく、美しい印刷が可能な名刺が完成したのです。

未来への展望

サッポログループは、持続可能な社会の実現に向けて引き続き地域環境保全活動を推進し、国産レモン栽培の恵みを大切に受け継いでいく意向を示しています。このようなプロジェクトを通じて、企業の理念を実現するとともに、広島地域の社会にも貢献していく姿勢が伺えます。これらの取り組みは、循環型社会の実現に向けた重要なステップであり、一人でも多くの人々にその意義が伝わることを期待しています。

環境に配慮した名刺は今後のビジネスシーンで新たなスタンダードとなるかもしれません。皆さんも、エコに貢献する取り組みを身近に感じることができるチャンスかもしれません。