新たなる飲食の扉を開けた！「シェアレストランアワード2025」開催レポート

9月16日、築地にある食まちスタジオで「シェアレストランアワード2025」が盛大に開催されました。このイベントは、株式会社吉野家ホールディングスやそのグループ会社である株式会社シェアレストランが主催し、間借り営業を通じて成長を遂げた料理人を称えるものです。この取り組みは、厳しい飲食業界での新たな可能性を模索する場として、多くの期待を集めています。

「シェアレストラン」とは、飲食店を間借りし、低コストで開業できるマッチングサービス。開業に対する高い敷居を下げ、料理人たちが自らの腕を活かしてファンを獲得できる環境を提供しています。このシステムのおかげで、限られたスペースや短時間での営業でも、多くの成功事例が生まれています。果たして、これが新しい飲食モデルの誕生を告げるものとなるのでしょうか。

飲食業界の新星たち

アワードでは、参加者10名がそれぞれの個性を活かした料理を披露し、自らの物語や挑戦を語りました。審査員には、ミシュラン星付きフレンチ「ナベノイズム」の渡辺雄一郎エグゼクティブシェフや、飲食経営の専門家である臼井健一郎氏らが参加し、正当な評価を行いました。

結果として、金賞に輝いたのは「Ce Vinci（チェヴィンチ）」の「イチゴとフルーツトマトのパスタ」、銀賞には「COFFEE AND TOAST」の「“ぽっかぽか”えびと帆立のグラタンぱん」、そして銅賞には「Mamma Lampre.」の「ランプレドット・パニーノ」が選ばれました。

参加者の物語と未来

審査を受けた料理人たちは、各々が飲食業界で直面した課題や夢を語りました。多くの人々が「次なる夢」を描いており、実店舗のオープン、新たな事業の立ち上げや子供向けの料理教室、ECや海外展開など、間借り営業で得た経験をもとに新しい価値の創造を目指しています。

例えば、2019年から間借り営業を始めた「COFFEE AND TOAST」は、SNSでの効果的なプロモーションにより急成長を遂げ、現在では予約も困難な人気店となっています。同様に、「酒とスパイスマツコ」も日替わりカレーを5年で1,500種以上開発し、“間借りカレー界”を牽引する存在に。これらのケースは、間借り営業による新たなビジネスモデルの成功例といえるでしょう。

また、「かにカメ」は、長年の経験を経て再起を果たしたベテランシェフ。間借り営業でバスク風カニグラタン専門の店を運営し、大いに注目を集めています。このように、異なるバックグラウンドを持つ料理人たちが、自由な発想と挑戦をもって新たなビジネスチャンスを切り開いている姿には、力強い鼓舞を感じます。

社会の変化と未来の展望

「シェアレストランアワード2025」は、単なる料理のコンペティションにとどまらず、今後の飲食業界が直面するさまざまな課題に対する解決策を示唆するイベントともなりました。吉野家ホールディングスとシェアレストランは、こうした挑戦を支えることで、より多くの料理人の成長を促進し、業界全体の新しい価値を創出していく方針です。

これからも、間借り営業とそれを通じた料理人たちの挑戦は、飲食界における大きな可能性を秘めており、私たちの食卓に新たな風を吹き込むことでしょう。アワードに参戦した料理人たちの躍進を、今後も共に応援していきたいものです。