持続可能な物流を目指した実証実験
広島県福山市を拠点とするハローズ株式会社と、伊藤忠商事株式会社、株式会社シノプスが共同で進める「持続可能な物流を支える物流効率化実証事業」が注目を集めています。今回の実証実験は、経済産業省の支援を受けて行われ、食品流通の効率化に特化した取り組みが行われています。
実証実験の目的と背景
食品物流業界は、現在多くの課題を抱えています。特に人口減少に伴う労働力不足やトラックドライバーの不足が深刻で、EC市場の急成長により需要が増加する一方、物流の現場は忙しさを増しています。このような背景の中、2024年から施行される「2024年問題」や2026年の「改正物流効率化法」など、運送業界は新たな対応を迫られています。
ハローズでは、2015年から需要予測型自動発注サービス「sinops-R」を導入し、グロサリや生鮮食品まで幅広いアイテムで利用しています。しかし、物流の効率化はまだ課題が多かったため、2023年からは新たなプラットフォーム「DeCM-PF」の導入を決定しました。このシステムは、需要予測に基づいた発注業務をさらに強化することを目指したものです。
実証実験の実施内容
実証実験は、2025年の11月に行われ、ハローズの店舗需要予測をもとにした発注勧告が中心となりました。具体的には、以下の二つの主要な取り組みが行われました。
1.
店舗需要予測と発注勧告: ハローズの需要予測データを基に、卸売業者に対する発注勧告が提供され、これによって物流効率を最適化しました。
2.
納品体制の最適化: 配送曜日の集約を行い、省力化を図ることで、配送車両の利用効率を向上させました。
実証実験の成果
実証実験の成果は、物流効率の向上に直結しています。具体的に、次のような結果が得られました。
- - トラック台数の削減: 27台から21台へ削減(約22%の削減)
- - 積載率の向上: 55%から79%へと改善(約24%向上)
- - 総荷待ち・荷役時間の短縮: 約19%削減
- - 店舗欠品率の改善: 約41%改善
- - 自動発注の採用率向上: 19%向上
これらの結果は、物流の効率化と販売機会損失の防止を両立させるものであり、今後の食品流通モデルにとって非常に重要な指標となります。
参加企業のコメント
実証実験に関与した企業からは、以下のような前向きなコメントが寄せられました。
- - ハローズ橋元克浩上席執行役員「需要を起点として全体プロセスを改善するチャレンジとなった。結果は良好で、今後の展開が楽しみである。」
- - 外林の担当者「小売店舗の需要予測に基づく発注勧告が非常に有用であり、メーカーの物流効率を考慮しつつも安定的な運用が実現できた。」
この実証実験は、小売業や物流業界の枠を超え、持続可能で効率的な供給チェーンの模索に貢献するものとして、今後も進展が期待されています。
今後の展望
各参画企業は、今後もこのモデルの展開を広げ、他の小売業者にも輸出する意向を示しています。また、需要予測に基づいた人員割り当てや納品予約の最適化も視野に入れ、さらなる社会課題の解決に寄与していく計画です。
最後に、シノプスは食品流通における革新を追求し、より良い未来へ向けて進んでいます。コスト削減と効率化を両立させるこの取り組みが、地域社会にとっても大きな影響を与えることでしょう。