広島発のゲノム編集ツール「PtWAVE」がついに登場
広島県東広島市に拠点を置くプラチナバイオ株式会社(PtBio)が、ゲノム編集の活性を高精度で測定する新しいツール「PtWAVE(ピー・ティー・ウェーブ)」の提供を開始しました。このツールは、従来の解析手法に比べ、インデルを最大200bpまで検出できる新たな機能を備えています。
共同研究による高精度の実証
「PtWAVE」は、広島大学との共同研究により、その性能が実証されたツールです。学術論文としても発表されており、国際的な学術誌「BMC Bioinformatics」に掲載されました。この研究では、既存のツールと比較し、PtWAVEが持つ優れた検出精度や感度が示されています。
この解析ツールはウェブベースで、商用利用も含めて無償で提供されています。ユーザーはブラウザ上で解析パラメータを簡単に設定でき、その結果を即座に視覚化することが可能です。手軽に使えることから、製薬やバイオ業界でのゲノム編集解析、品質管理ワークフローへの組み込みが期待されています。
幅広い用途と可能性
「PtWAVE」はその検出範囲が広いことから、オフターゲット評価や新たな遺伝子改変作物の開発など、様々な用途での活用が検討されています。これにより、低コストで短期間にゲノム編集の活性評価を行えるため、研究者のみならず実務者にとっても大きなメリットとなるでしょう。
プラチナバイオの挑戦
プラチナバイオは2019年に広島大学の山本卓教授らによって設立され、修練された国産のゲノム編集技術「Platinum TALEN」を基に発展してきました。産学連携のプログラムを活用しながら、私たちはバイオテクノロジーを駆使して未来の社会課題に貢献する取り組みを進めています。
新たに提供された「PtWAVE」は、その開発の一環として、ゲノム編集とバイオDX技術の社会実装を推進する重要なステップと言えるでしょう。プラチナバイオの取り組みは、技術革新を通じて、持続可能な開発目標(SDGs)の達成という大きな使命にも向かっています。
今後のさらなる発展に期待が高まります。「生物機能をデザインして社会課題を解決する」というミッションを掲げるプラチナバイオの挑戦が、未来の広島、ひいては世界へとつながることを願っています。