全国で利用できる新たな地域通貨「まちトクPay」とは
最近、フェリカポケットマーケティング株式会社(以下、「FPM」)と株式会社ネットスターズ(以下、「ネットスターズ」)が業務提携を結び、新しい地域通貨パッケージ「まちトクPay」を発表しました。このサービスは、地域内での消費を促進すると同時に、キャッシュレス決済の利便性を活かすことを目的としています。
「まちトクPay」の特徴
「まちトクPay」は、ネットスターズが提供する「StarPay」と接続し、全国的に利用可能なキャッシュレス決済サービスと地域内で使用できる地域通貨を組み合わせた新しいシステムです。この仕組みにより、自治体のキャッシュレスポイント還元事業における最大の課題である、還元ポイントの域外流出を防ぐことが可能になります。
開発の背景
FPMは、これまで自治体向けに地域通貨やデジタル商品券のプラットフォームを提供し、地域経済の活性化に寄与してきました。しかし、自治体が導入したキャッシュレスポイント還元事業では、税金で賄ったポイントが外部で消費されるという問題が多く指摘されていました。そこで、地域通貨とキャッシュレス決済を統合することで、地域内消費を促進する「まちトクPay」が開発されたのです。
利用できるキャッシュレスサービス
「まちトクPay」は、すでにAEON Pay、au PAY、メルペイの3社と連携しており、今後はd払い®や楽天ペイとの連携も予定されています。利用者は、アプリを通じて簡単に支払いができ、地域限定ポイントとキャッシュレス決済ポイントの併用も可能です。
導入のメリット
このシステムを導入することで、自治体は以下のようなメリットを享受できます。
- - キャッシュレスポイント還元事業の効果最大化: 地域限定ポイントが地域内の店舗でのみ使用可能なので、投じた税金が確実に地域内で循環します。
- - 市民満足度の向上: 利用者に多様な決済手段を提供することで、参加ハードルが低くなり、消費意欲を高めます。
- - アプリの継続的な活用: 地域通貨アプリとして広く活用でき、地域のデジタルインフラとなることが期待されます。
- - 導入の容易さ: 短期間での導入が可能で、手続きが比較的スムーズです。
- - コミュニティ活性化: アプリにはイベント情報やクーポン配信機能があり、地域コミュニティの活性化に寄与します。
対象となる自治体担当者
「まちトクPay」は、特に以下のようなニーズを持つ自治体担当者に最適です。地域ポイントの域外流出に悩んでいる方や、独自の地域通貨事業の導入が難しい方、キャッシュレス施策を拡大したい方に最適です。
実施計画と今後の展望
2025年10月には、広島市の楽々園商店街で「まちトクPay」のPoC(実証実験)が開始される予定です。これを踏まえ、初年度での導入を30自治体に目指す方針です。また、将来的には健康、エコ、行政手続きなど、日常生活に密着したサービスを統合した市民アプリの開発も視野に入れています。
まとめ
FPMとネットスターズは、「まちトクPay」を通じて、地域社会の持続可能性と豊かさを両立させるために尽力しています。新たな地域通貨がどのように地域経済を活性化し、市民生活を豊かにするのか、今後の展開に目が離せません。