くら寿司の「KURAおさかなファーム」が本マグロを初出荷
回転寿司チェーンのくら寿司が新たな取り組みを発表しました。2023年8月に本マグロを初めて出荷し、都内の無添蔵中目黒店やグローバル旗艦店での販売を予定しています。このプロジェクトは、くら寿司のグループ企業「KURAおさかなファーム」が中心となり、委託養殖で育てられたマグロを使用しているのが特徴です。
持続可能な漁業を目指して
昨今の海産物に関する問題として、漁業従事者の不足や、魚価の高騰、燃料費の高騰などがあります。これらの課題を解決するために、くら寿司は10年以上にわたって国内漁業の再生に向けた取り組みを行っています。2011年に設立された「KURAおさかなファーム」は、その一環として、業界初の水産専門会社として委託養殖に取り組んでおり、持続可能な漁業の発展を目指しています。
委託養殖の仕組み
KURAおさかなファームでは、国内での養殖や生産者との協力を重視し、本マグロの資源を守りつつ安定供給を目指しています。このプロジェクトでは、生産者へ魚の全量を買い取り保証し、専門的なノウハウを提供することで、質の高いマグロを育てられる環境づくりを行なっています。これにより、マグロの資源が減少することを防ぎつつ、消費者にリーズナブルな価格で提供できる体制を整えています。
特に、本マグロは国際的な漁獲規制に基づいて管理されており、持続可能性が求められる魚種です。 KURAおさかなファームは、このような環境で育てる技術と生産管理の向上を図っており、将来的にはさらに多くの店舗での販売を行う予定です。
都内における販売
くら寿司は、今後無添蔵中目黒店をはじめ、関東エリアの約50店舗で本マグロを販売する計画を策定しています。これにより、都市部においても新鮮で品質の高いマグロを手軽に楽しむことができるようになります。前述のように、安定した供給とコスト管理を行い、消費者に高品質な商品を届けることを目指しています。
KURAおさかなファームの最新技術
実際の養殖にはAIやICT技術を取り入れ、人手不足の解消とともに、労働環境の改善を図っています。これらの技術を活用することで、より効率的な生産が可能となり、環境への負担も軽減されます。さらに、外部の生産者に委託しつつも、自社が全量を買い取ることで、安定的な収入を提供し、漁業就業の促進にも寄与しています。
今回の企画は、ただ単に寿司ネタを提供するだけでなく、持続可能な漁業の発展とともに、地元の経済の活性化にも寄与することを目指しています。くら寿司の取り組みを通じて、次世代への魚資源の保護と、安定した食の供給の実現が期待されます。