日本企業における海外人材の育成支援の実態
最近、ヒューマンリソシア株式会社が実施した調査により、日本における海外人材の育成と定着支援の現状が明らかになりました。調査によれば、約半数の企業が育成プログラムを十分に整備していないことが確認されました。また、業務の遂行を支援する体制はありますが、それに伴う生活やキャリア支援は不十分であることが浮き彫りになっています。
海外人材育成プログラムの整備状況
日本で就業する海外人材が企業の提供する育成プログラムに「整備されていた」と回答した割合はわずか51%。これは、「十分に整備されていた」という回答が20%、さらに31%が「整備されていた」と答えた結果です。残りの49%は「少し整備されていた」または「整備されていなかった」との回答があり、多くの企業で育成プログラムの支援が不十分であることが示されています。
プログラムの内容を見ると、業務に直接関連する「入社時研修」や「日本のビジネスマナー・常識に関する教育」、「日本語研修」が上位に並んでいます。これに対し、「仕事や生活に関する相談窓口」や「上司・トレーナーとの定期面談」のような生活やキャリアに即した支援は不足しています。これにより、多くの海外人材が日本での生活を円滑に送るためのサポートが欠けていることが伺えます。
職場での支援体制の実態
調査結果から、業務や職場への適応については82%が支援があったと回答している一方で、18%は支援が無い、もしくは不足しているとのことです。特に業務のやり方を教えてくれたり、温かい接し方での安心感が支援内容として上位を占めています。上司や同僚とのコミュニケーションが、海外人材の職場での定着に寄与していることがわかります。
今後の展望と必要な支援
日本で働く海外人材の数は2024年には230万人を超えると予測されており、それに伴い企業にはさらなる育成支援体制の整備が求められます。生活基盤やキャリア支援の強化が、長期的に海外人材が日本で活躍するための鍵となります。
これらの調査結果を受けて、企業は業務支援から一歩進んで、海外人材が安心して生活し、キャリアを築くための支援体制を充実させる必要があります。ヒューマンリソシアの福田岳人氏は、企業の取り組みが今後の海外人材の定着に繋がると述べています。私たちがこの課題に真剣に向き合うことで、グローバルな職場環境をさらに整えていくことができるでしょう。
本調査の結果から、まだまだ発展途上である日本の企業における海外人材育成の現状。これからの取り組みが、より良い職場環境を整えるための鍵といえるでしょう。