廃竹を活用した新たなバイオ成型炭の開発
広島県に本社を構える株式会社ヒロテックが、環境問題への取り組みの一環として、近畿大学工学部との共同研究により、廃竹を原材料としたバイオ成型炭の開発に成功しました。このプロジェクト、名が「牡蠣アップサイクル」として親しまれ、広島県における牡蠣養殖の過程で発生する廃竹資源の有効活用を目指しています。
環境問題と廃竹の現状
広島県は、全国の牡蠣生産量の約60%を占める産地ですが、牡蠣養殖に用いる竹製のいかだが使用後に廃棄されることで、環境問題が顕在化しています。年間約5,000トンの廃竹が、ほとんどが野焼きにより処分されており、これがCO₂の排出や近隣住民への影響を引き起こしています。この廃竹を資源として再利用する取り組みが求められていました。
ヒロテックの取り組み
ヒロテックは、自動車部品を専門とする企業としての技術力を背景に、このプロジェクトに取り組みました。自社で培ったプレス成形技術と、近畿大学工学部の専門知識を掛け合わせることで、石炭コークスに匹敵する発熱量と高密度を誇るバイオ成型炭の製造に成功しています。具体的には、廃竹の粉砕・炭化およびプレス成形のプロセスを経て、製品化を進めています。
プロジェクトの進捗
これまでに行った実証実験では、廃牡蠣いかだから生成した竹炭と廃材をバインダーとして組み合わせ、円筒形状のテストピースを試作しました。特に注目すべき点は、プレスによる高密度化の実現と、バイオ成型炭の形状を整えるための粒度最適化です。さらに、生産時間の短縮や型の温度調整により、効率的な製造プロセスも整備されています。
今後の展望
今後は、このバイオ成型炭を燃焼用石炭への添加材として活用し、CO₂削減に寄与することが期待されています。また、2026年を目標に商品化を進め、発電事業者や素材産業への販売を計画しています。さらに、エネルギーや建築資材分野での展示会に出展し、実用化の具体的な場面を広げていく予定です。
産学連携の意義
このプロジェクトは、ヒロテックと近畿大学の強い産学連携に支えられており、大学の持つ材料の専門知識が実用化に大きく寄与しています。実際に、近畿大学工学部の教授陣の協力を得て、廃竹からのバイオ成型炭の品質向上につながる多くの研究が行われています。
ヒロテックの未来
ヒロテックは、自社の自動車部品製造の枠を超え、環境負荷低減に貢献する新たな事業をスタートさせています。この取り組みを通じて、地域資源の循環や持続可能な社会の実現に寄与し、企業としての社会的責任を果たしていく所存です。