地域と若者をつなぐ新たな舞台「ホンネのカイギ」
広島県福山市で7月11日、「ホンネのカイギ Vol.1」が開催されます。このイベントは、大学生キャリア共創コミュニティ「S-colle」のメンバーが主体となり、全国の学生が企業に率直な意見を届ける貴重なプラットフォームです。
福山市は、4年連続で転出超過が全国最多の地域です。その中でも特に、15〜29歳の若者の流出が顕著で、地域企業にとっても深刻な問題となっています。この問題を解決するために、一般社団法人ミライゴトは学生が自ら動き出すイベントを企画しました。
「ホンネのカイギ」の目的と意義
「ホンネのカイギ」は、企業が学生の意見を直接聞くことができる場です。従来の就職活動では企業が学生を評価するのが一般的でしたが、今回は学生が自発的に企業に対して声を上げる機会を提供します。学生たちは、自身の就活体験や地方で働くことに対する率直な思いを語り、企業側はそのフィードバックを受け取り、採用や情報発信のあり方を見直す契機とします。
学生参加者の声は、具体的に「就活のホンネ」「仕事のホンネ」「地方で働く魅力」といったテーマに分かれています。彼らは、地域企業が抱える実際の問題を共有し、それによって企業がどう変われば若者に選ばれる存在となるのか、一緒に考えていくことが目的です。
福山市の現状と課題
広島県では、福山市が特に顕著な転出超過の数字を示しています。2024年のデータでは、福山市では2935人が転出しています。企業の多くは20名以下の中小企業が多く、採用担当者が常駐していない場合も多々あります。このような現状は、学生とのコミュニケーションを円滑にするのが難しいことを意味しています。
また、企業の声が若者に届かない背景には、「大手求人サイトに載せる」ことだけでは対応できないという現実が存在しています。このような課題を解消するために、「ホンネのカイギ」は新たな形のコミュニケーションを模索しています。
「ホンネのカイギ」の運営と内容
このイベントの企画から運営、登壇者としての発言まで、全て学生が主体となって行っています。参加する6名の学生はさまざまなバックグラウンドを持ち、福山市での就職希望者だけでなく、県外から参加する構成になっています。これにより、多様な観点からの意見が集約されます。
登壇者は、実際の体験を交えて率直な意見を語ります。たとえば、企業選びで重視したポイントや、逆に選ばなかった企業の理由など、細かいデータを発表します。参加者は彼らの意見を聞くことで、実際の若者の思いを知ることができ、企業側が今後の採用戦略を見直すヒントを得ることが期待されています。
地域独自の採用戦略を探る
「ホンネのカイギ」は単発のイベントではなく、年間を通して継続的に行われるシリーズ企画の一環でもあります。年間6回にわたり、「しごトーク」や「ホンネのカイギ」、「ピッチマッチ」を通じて、福山市の企業と学生の関係を深めていく計画です。このシリーズを通じて、地域の独自性や文化に適した採用スタイルを模索し続けます。
未来のための第一歩
このイベントは地域にとって、ただの採用イベント以上のものです。「企業が学生を選ぶ」構造を逆転させ、地域に合った新たな採用の形を築くための第一歩となります。全国各地の地方自治体が抱える似たような問題への示唆を与えることも目指し、この試みが広がることで多くの地域が活性化されることを期待しています。
このように、地域の特性を考えた学生主導のイベント「ホンネのカイギ」は、企業と若者が共に新たな未来を創り出す機会を提供しています。福山市から始まるこの活動は、地方の採用課題への解決の糸口を示すものになるでしょう。