大日本印刷が新たなコーティング装置を導入
大日本印刷株式会社(以下DNP)は、2025年9月から広島県の三原工場にて、2,500mm幅の光学機能性フィルム用コーティング装置を稼働させることを発表しました。この新たな導入により、生産能力は面積基準で15%以上の向上が期待されています。これは、特に65インチ以上の大型テレビ向けの需要に応えるための重要な一歩です。
大型テレビ向け需要の増加
近年、テレビの大型化が進み、特に65インチ以上のモデルが市場で人気を集めています。この流れは、世界中で加速しており、偏光板メーカーは需要に応えるべく生産ラインを強化しています。そのため、中長期的な観点から、大型テレビ向けの光学機能性フィルムの供給不足が懸念されていました。そこでDNPは、この新たなコーティング装置の導入によって生産能力を拡大し、安定したフィルム供給体制を整えることを目指しています。
新コーティング装置の特長
この新しい広幅コーティング装置には、以下のような特長があります。まず、65インチの大型テレビ向けの光学フィルムを効率よく生産できる設計がされています。特に、テレビハイエンドモデルのニーズにも対応できるインライン多層コーティング技術を採用しており、光の反射を抑え、視認性の向上に寄与します。
さらに、省エネルギーへの取り組みとして、新しい技術を導入し、生産プロセスの革新を図っています。この結果、従来と比較して年間約30%のCO₂排出量の削減が見込まれ、環境負荷軽減にも貢献すると言います。
今後の展望
DNPは、この新装置によって中国をはじめとする世界各国の偏光板メーカーに対して光学機能性フィルムの提供を拡大し、2026年度には年間約1,100億円の売上を目指すとしています。この取り組みは、地域経済に大きな影響を与えることが期待され、特に広島地域での雇用創出などにも寄与すると考えられます。
このように、DNPの新しいコーティング装置の導入は、大型テレビ市場の需要に応えると共に、環境への配慮も忘れない先進的な取り組みとして注目を集めています。今後の展開に期待が高まります。