ダーツで楽しむ!軽度認知症改善への新たな希望を探る研究
ゲームを楽しむことが、脳の健康に繋がる──そんな新しい研究成果が広島で発表されました。セガサミーグループの株式会社ダーツライブと県立広島大学、高知健康科学大学、そしてONE ENTERPRISEが共同で実施したこの研究では、ダーツを用いた軽度認知症への改善効果が確認されました。
研究の背景
日本は高齢化が進んでおり、2025年には約700万人が認知症を患うと予測されています。それに伴い、認知症発症を遅らせるための新たなアプローチが求められています。特に、運動と脳のトレーニングを同時に行う「二重課題」は効果的とされ、楽しんで続けられる予防法の開発が注目されています。
研究の概要と方法
広島県および長崎県に居住する軽度認知症疑いの高齢者を対象に、ダーツを使った半年間の介入が行われました。
- - 対象者: 軽度認知症が疑われる地域在住の高齢者。
- - 方法: 2週間ごとにダーツ教室やサロンを開催し、半年間ダーツを実施。
- - 評価方法: 国際的に認知された「MoCA-J」による認知機能検査を実施。
主な結果
この研究に参加した27名のうち、16名で認知機能の改善が確認されました。特に「記憶力(遅延再生)」と「注意力」が有意に向上したことが報告されています。また、認知症リスクの高い高齢者の60%に改善効果が見られました。
ダーツの持つ魅力
ダーツやボーリングは身体を動かすスポーツであり、下肢や体幹の支持性、バランス、空間認知能力、注意力、計算能力など、さまざまな身体機能と認知機能を刺激します。
さらに、ダーツは多人数で楽しむことができ、競い合うことにより社会的な交流を促進するため、心の健康にも大きな影響があります。チーム戦を通じて生まれるコミュニケーションは、高齢者にとって重要な刺激となることが期待されています。
参加者の声
この研究に関わった株式会社ダーツライブの金子氏は、「ダーツが軽度認知症の改善に寄与することが示されて嬉しい」と語り、「今後はこの情報を多くの人に知ってもらい、更なるダーツを活用した認知症予防や高齢者のプレイを促進していきたい」と意気込みを見せました。
最後に
このように、楽しみながら体を動かすことが、脳に良い影響を与えるかもしれないという今回の研究結果は、軽度認知症に悩む高齢者だけでなく、地域全体にも新たな希望をもたらすことでしょう。ダーツという新しいアプローチを通じて、高齢者の生活の質が向上することが期待されます。詳細な研究内容については、こちらの論文を参照ください。
- - 論文名: Effects of a Dart Game Intervention in Community-Dwelling Older Adults with Suspected Mild Dementia
- - 発表日: 2025年8月24日
- - 論文URL: こちらをチェック
この研究を機に、ダーツが地域の高齢者にとって一つの新しい生きがいとなることを願っています。