広島の企業が外部協業を通じて新たな事業展開を目指す

広島県内に本社を持つ企業17社を対象に、外部協業を伴う新規事業および既存事業の強化に関する調査が行われ、その結果が2025年8月28日に公開されました。この調査は、waypoint venture partners株式会社によって実施されたもので、広島地域の事業の動向を明らかにすることを目的としています。

調査の背景と目的

waypoint venture partnersは、スタートアップへの投資をメインに事業を展開するベンチャーキャピタルで、首都圏と中国・四国エリアに重点を置いて活動しています。ここ数年、国内ではオープンイノベーションが注目され、多くの企業がスタートアップとの連携を模索しています。しかし、広島県においては、他地域と比べて連携の実績や活動が遅れているのが現状です。そこで、この調査が実施され、地域の企業がどのように新規事業や事業の強化に取り組んでいるかを把握することが意義となっています。

調査の主な結果

調査は2024年1月から12月の間に行われ、対象となったのは新規事業に取り組む広島県内の企業です。調査に対する回答は17社から寄せられました。主な結果は以下の通りです。

新規事業開発に関する取り組み

- 新規事業に取り組む背景として「既存市場の縮小」が圧倒的な理由となっており、これが回答企業の90%以上を占めています。
- 新規事業の検討領域には、既存市場や製品との関連性が強い分野でのチャレンジが多く見られます。企業はリスクを抑えながら新たな可能性を広げようとしているようです。

既存事業強化の方向性

- 既存事業の強化方針については、「サービスの質を高める」という方向性が9割超で強調されています。
- 経営陣の理解が得られやすいような明確なメリットがある施策が多く、既存事業の担当者も積極的に取り組む姿勢が示されています。

外部連携の状況

- 調査結果によると、約6割の企業が新規・既存事業の外部連携を行っている実績があると回答しました。
- およそ7割の企業がスタートアップ企業との連携を行っており、その中でも「ミッシングピース」の補完や、新たなアイデアの導入を目的とした連携が活発です。
- 半数以上の企業がスタートアップへの出資経験があることも考慮すると、地域内での相互協力が進行中と言えるでしょう。

今後の展望

waypoint venture partnersは、引き続き地域のスタートアップや企業への投資を通じて、事業の成長をサポートする方針です。新しいビジネスモデルや活動事例の紹介を通じて、企業間の連携が更に進むことを期待しています。また、今回の調査結果が地域内での情報共有や連携の手助けとなり、広島県の経済活性化につながることが求められています。

まとめ

この調査は、広島県内における新規事業や既存事業の強化に向けた企業の取り組みを明らかにし、地域全体の発展に寄与することが期待されています。企業の担当者や経営層が今後の活動を見直す際には、他社の動向や取り組みが一助となるでしょう。さらに、事業の連携や外部との協業が深まることで、広島のビジネスシーンがより活性化していくことを願っています。