日本の伝統と現代デザインが融合した「kupu sauna」の魅力
日本の木工家具の先駆者、マルニ木工が新たに提案するサウナ「kupu sauna」は、100年にわたる技術を活かしています。フィンランド語で「ドーム」を意味する名を持つこのサウナは、国産檜材を使用し、伝統的なバレルサウナを現代風にアレンジ。人を優しく包み込むハーフドーム型のデザインは、温熱環境を整えるだけでなく、心地よく蒸気を循環させます。
このプロジェクトは、熊野亘氏というプロダクトデザイナーが手掛けました。彼はフィンランドでの留学経験から、現地のサウナ文化に深く根ざした知識を持ち、木材の特性と人の営みを融合させる独自の視点を提供しています。「kupu sauna」は、単なる入浴の道具ではなく、日常生活に優雅さとリラクゼーションをもたらす空間となることを目指しました。
伝統を守りつつ新しい価値を創出
創業以来、マルニ木工は「木とともに生きる」を理念に掲げ、広島で家具作りに邁進してきました。しかし、近年の国際的な木材価格の高騰により、国内の資源を再評価する必要が生じてきました。そこで彼らは、日本の檜や杉などの針葉樹に目を向け、家具の範疇を超えた新しい活用方法を模索。これが「kupu sauna」という独自のプロダクトとして結実しました。このサウナは、素材選びやデザイン、機能に至るまで精緻で、快適性やプライバシーも兼ね備えています。
「ONE SAUNA」との協業も、新しい価値を生む要素の一つです。「ONE SAUNA」は日本にフィンランド式サウナを広めることを目指しており、サウナが与える体験を重視しています。この二つのメーカーが手を組んだことで、ただのサウナではなく、木を感じる豊かな空間が誕生しました。
檜材がもたらす特別な体験
吉野の檜を使用した「kupu sauna」は、その香りや手触りが特徴です。この木は日本の風呂文化を支え、美しさが時とともに増す特性を持つため、サウナ内は心地よい空間に包まれます。さらに、このサウナはバレル型の伝統的な構造をハーフドーム型に変革し、熱を効率よく循環させる機能も盛り込まれています。これにより使用者は快適な体験を享受でき、自分自身に合った温度や湿度を調整できます。
環境に寄り添うデザイン
「kupu sauna」の外観は、自然環境に調和する美しいデザインです。このサウナは、家庭の一部としての形を持ち、無駄なスペースを生じさせない工夫がなされています。また、モジュール設計により、多人数利用や異なるレイアウトにも対応可能です。取り外しができるベンチは屋外での使用も可能で、まるで普段使いの家具のようにフレキシブルに活躍します。
サウナは暖かさとともに、心地よいひと時を提供する空間です。「kupu sauna」はただ温まるだけでなく、環境と生活とをつなげ、新しいスタイルを提案することを目指しています。その魅力は体験した人によって語り継がれることでしょう。
今後の展望
この秋には「kupu sauna」が全国のイベントでお披露目されます。これを機に、サウナの新たな文化を感じてみてはいかがでしょうか。サウナを通じて、日本の森や素材の豊かさを再確認し、より良い暮らしのための新たな手段を見出すことができます。「kupu sauna」が、本物の価値を届ける空間として皆さんをお迎えする日を楽しみにしています。