ピースマッチで伝える平和のメッセージ
2019年から広島で開催されている『HiFA 平和祈念Balcom BMW PEACE MATCH』は、広島と長崎のU-15世代のサッカー選手たちが参加し、試合を通じて交流を深めると同時に、被爆地での平和学習を行う貴重なイベントです。特にこの試合は、平和の重要性を次世代に伝えることをテーマにしている点が大きな特徴です。
今大会のエキップメントパートナーであるデンマークのスポーツブランドヒュンメル(hummel)は、ピースユニフォームを手掛け、昨年と今年の売上の一部を寄付することで、平和学習に貢献しています。ヒュンメルは、2015年に平和祈念ユニフォームを発表して以来、さまざまなピースユニフォームを製作してきました。
今年の寄付は、過去に製作したピースユニフォームを組み合わせたマッシュアップユニフォームの売上から行われ、広島県サッカー協会にも寄付がなされました。宗政潤一郎会長は「広島と長崎は平和教育においては他県とは異なる温度差がある。平和の大切さを訴えていかねばならない」と述べ、平和学習の重要性を強調しました。
平和学習の内容
このイベントでは、大会の翌日に約50名のスタッフと選手たちが広島平和記念資料館を訪れました。ここでは、広島市立基町高校の生徒たちが過去の被爆体験をもとに描いた原爆絵画展も見学しました。その中の展示は、被爆の実相を伝えるために多くの時間をかけて作成されたもので、観覧者に強いメッセージを送ります。
生徒たちは「辛い体験を描くのはとても難しかったが、それを表現する必要がある」と語ります。彼女たちが描いた絵は、過去の出来事を忘れないための大切な手段です。このような試みを通じて、選手たちは平和の重みや、そのために何ができるかを考える機会を得ました。
自由にサッカーができる今への感謝
試合の後には、原爆死没者慰霊碑への献花が行われ、選手たちは真剣な表情で手を合わせました。広島の選手は「今、自由にサッカーができることに感謝を感じる」と語り、長崎の選手は「未来の子どもたちにスポーツを通じて平和を伝えたい」との想いを語りました。
さらに、広島の村上監督は「サッカーができることが当たり前ではない」と再認識し、監督たちは選手たちに平和の意義を深く理解してもらいたいと願っています。長崎の福田監督は「広島のことを学ぶ貴重な機会だった」と語り、二日間の地元での学びに感謝の意を示しました。
これからのピースマッチ
ピースマッチは、年々その活動を広げ、今後も多くのイベントが予定されています。8月末には小学生大会、9月には女子U-16、さらには来年2月に男子U-17の大会も計画されています。それらのすべての大会において、平和学習が行われる機会が設けられています。宗政会長は「サッカーを通じて平和を伝える活動を今後も続けていく」と意気込みを語っています。
ヒュンメルは、スポーツを通じて平和を訴える活動を展開し続け、人々の意識を高める貢献をしています。サッカーを通じて未来の世代に向けて、重要なメッセージを伝えていくことが期待されるでしょう。