日本初の科学技術賞「本田賞」の第46回贈呈式開催、伊賀健一博士が受賞！

本田賞第46回受賞式における伊賀健一博士の偉業

2025年11月17日、帝国ホテル東京において「第46回本田賞」の贈呈式が開催されました。受賞者には、半導体レーザーの一種である面発光レーザーの提案で知られる伊賀健一博士が選ばれました。彼の業績は、光エレクトロニクス分野の発展に多大な影響を与え、情報化社会の基盤を築いたと言えます。

本田財団の理事長石田寛人は、開会の挨拶で「本田財団は設立以来、エコテクノロジーを提唱し、それを世界にも広めてきました。今年は伊賀博士をお招きできたことを嬉しく思います」と力強く述べ、伊賀博士の業績がどれほど重要であるかを強調しました。面発光レーザーは現代社会に欠かせない技術となり、特に高速データ通信やスマートフォンの顔認証技術など、生活の多くの場面で利用されています。

本田賞選考委員会の委員長内田裕久も選考過程を説明し、「今年は世界中から約260名の推薦を受け、伊賀博士の業績が選ばれました。特に重視したのは、その業績が世界の人々の生活にどれほど貢献しているかという点です」と述べました。面発光レーザーは小型で高効率、省電力という特徴を持ち、エコテクノロジーの一例として位置づけられています。

式典では、伊賀博士に賞状とメダルが贈呈され、多くの来賓が彼の驚異的な業績を称賛しました。特に、東京科学大学の理事長である大竹尚登氏は、「博士の受賞は本学にとって喜ばしいもので、優れた科学者をこれからも育てていきたい」とコメントしました。

モビリティ企業である本田技研工業株式会社の倉石誠司特別顧問も登壇し、「面発光レーザーは自動車の新技術において重要な役割を果たしています。伊賀博士の功績は、モビリティ分野だけでなく、製造業店全体に波及し、産業の構造を変える力となりました」と述べ、彼の技術のエッセンスが広範囲にわたっていることを説明しました。

記念講演での伊賀博士の言葉

贈呈式の後、伊賀博士は「面発光半導体レーザー」についての記念講演を行いました。彼は広島県呉市での少年時代からのエピソードを交え、自然の中で自作したラジオがエレクトロニクスへの興味につながったことを語りました。また、大学時代には「作行会」の奨学金を受け研究に励んだことも紹介し、今に至るまでの研究の歩みをユーモアを交えて語りました。

講演の最後には、「面発光レーザーが今後のデータセンターや医療、農業など幅広い分野での応用が期待されています」とし、未来に希望を寄せました。この分野でのさらなる発展の可能性を語る彼の姿は、聴衆に感動を与えました。

技術の進化と未来への展望

面発光レーザーは1970年代半ばからの研究によって、伊賀博士が独自に開発した技術です。これは小型で省電力の特性を持ち、通信や情報処理技術の革新に寄与しています。その実用化は多くの業界に影響を与え、私たちの生活を根底から支える存在となっています。

伊賀博士の「面発光レーザー」は、一つの波長を安定して発振し、大量生産が可能なため、光エレクトロニクスの進化を促進するものです。これにより、現在の急増するデータニーズを効率よく処理するための鍵を握る技術として、注目を集めています。

記念演奏と文化活動の融合

さらに、記念レセプションでは伊賀博士が主宰する町田フィル・バロック合奏団が演奏を行い、彼の活動の多様性を再確認する機会となりました。音楽の中に見え隠れする光学の世界との共通点についても考えさせられ、博士の歩みがいかに幅広いものであるかが示されました。

この「本田賞贈呈式」を通じて、伊賀健一博士の功績が輝かしいものであると同時に、今後のさらなる発展に期待が持たれる機会となりました。