北広島町の新たな取り組み:エネルギーの地産地消
広島県北広島町で大きな環境への挑戦が始まりました。地域エネルギー会社は、町営川小田小水力発電所から発生する余剰電力を利用し、町内の小中学校や教育関連施設へ供給する新たな事業をスタートしました。この取り組みは、中国エリア初の試みとして、地域の教育機関の脱炭素化を目指しています。
地産地消事業の概要とその目的
この地産地消事業は、町内に豊富に存在する自然資源から生み出された電力や熱を、町内で消費することを目的としています。地域エネルギー会社は、町内の公共機関や教育施設に卒FIT電力を供給することで、CO2排出をゼロにすることを目指しています。
町営川小田小水力発電所の卒FIT電力は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度による売電期間が終了した際に、町内の公共施設に供給されることが決まりました。まずは小中学校を主要な電力供給先とし、続いて教育関連施設や図書館などにも広がる予定です。
環境への影響と期待される効果
この新事業により、町内の公立小中学校での予想年間CO2排出削減量は426.7トンに達すると見込まれており、教育関連施設を含む全体では、合計713.4トンの削減が期待されています。これにより、北広島町は脱炭素社会の実現に向けて一歩近づくことになるでしょう。
また、この売電収益の一部は、子育て支援や教育環境の充実、生物多様性の保全など、地域の公益活動に充てられることが予定されており、地域コミュニティ全体がこの取り組みに参加することができるのです。
今後の計画と連携体制
北広島町は、環境省から「脱炭素先行地域」として選ばれたことを受け、今後さらにエネルギーの地産地消を推進するために、小水力発電所の新設や太陽光発電の導入を検討しています。また、サポートを行っているタクマエナジーは、電力需要の管理や運営支援を通じて、地域エネルギー会社の事業安定化に寄与していく予定です。
このように、北広島町、地域エネルギー会社、タクマエナジーの三者が連携し、脱炭素社会の実現だけでなく、地域活性化に向けた取り組みを進めていくことが期待されています。
まとめ
北広島町のエネルギーの地産地消事業は、教育機関の脱炭素化を促進し、地域コミュニティ全体の環境意識を高める重要な一歩となります。持続可能な未来に向けて、地域全体が一つになって取り組む姿勢は、他の地域にとっても有意義なモデルとなるでしょう。今後の北広島町の動きに注目です。